ピロリ菌とは?

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に生息する細菌で、日本人の成人の約半数が感染しているといわれています。ピロリ菌に感染すると、慢性的な胃炎を引き起こし、放置すると胃潰瘍や胃がんのリスクが高まることが分かっています。

ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染は主に以下のような経路で起こると考えられています。

  • 幼少期の感染が主流:衛生環境が整っていなかった時代に、水や食べ物を介して感染。
  • 家族内感染:親から子へ、食べ物の口移しや食器の共有を通じて感染する可能性。
  • 井戸水や汚染された水の摂取:衛生管理が不十分な地域では感染率が高い。

ピロリ菌感染によるリスク

ピロリ菌に感染すると、以下の疾患を引き起こす可能性があります。

  • 慢性胃炎:ピロリ菌による炎症が長期間続くと、胃粘膜がダメージを受ける。
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:胃酸の影響で潰瘍ができ、痛みや出血を伴うこともある。
  • 胃がん:長期感染により胃の粘膜が萎縮し、がん化するリスクが高まる。
  • 胃MALTリンパ腫:ピロリ菌が関与するまれな胃のリンパ腫。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌の有無を調べる検査には、以下の方法があります。

  • 尿素呼気試験:呼気を採取し、ピロリ菌の有無を確認する検査(負担が少なく精度が高い)。
  • 抗体検査(血液・尿):ピロリ菌に対する抗体があるかを調べる方法。
  • 便中抗原検査:便の中にピロリ菌の抗原が含まれているかを確認。
  • 内視鏡検査(生検法):胃カメラで胃の組織を採取し、ピロリ菌の存在を確認。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌に感染している場合、除菌治療が推奨されます。除菌に成功すると、胃がんのリスクを大幅に低減できます。

一次除菌

  • 2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬)を1週間服用します 。 成功率は約70~80%といわれています。

二次除菌

  • 一次除菌が失敗した場合、異なる抗生物質を用いて再治療します。 成功率は約90%といわれています。

除菌後のフォローアップ

  • 除菌後の検査で成功したかを確認します。 また、 除菌に成功しても、胃がんになりやすい萎縮胃粘膜は残存するため、定期的な内視鏡検査が推奨されます。

ピロリ菌の予防策

ピロリ菌の感染を防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • 食事の衛生管理:しっかりと手を洗い、衛生的な食環境を整える。
  • 食器の共有を避ける:特に子どもへの口移しや食器の共有を控える。
  • 安全な水を摂取:井戸水の使用を控え、浄水された水を利用する。

受診のタイミング

以下のような症状やリスクがある場合は、医療機関でピロリ菌の検査を受けることをおすすめします。

  • 胃痛や胃もたれが続く
  • 胸焼けや食欲不振がある
  • 家族にピロリ菌感染者や胃がんの既往歴がある
  • 過去に胃潰瘍を発症したことがある
  • 一度も検査を受けられた事が無い方(なるべく早めのピロリ菌確認と除菌が肝心です。自治体によっては中学生の検査が推薦されています)

最後に

ピロリ菌は、胃の健康に大きな影響を与える細菌です。感染によるリスクを理解し、適切な検査と除菌治療を行うことで、将来的な胃がんの予防につながります。症状がなくても、リスクがある方は早めの検査を受けることをおすすめします。
ピロリ菌感染の検査や除菌治療についてご不安がある方は、お気軽に当院までご相談ください。

当院ではほとんど眠った状態で受けることのできる鎮静剤を使用した内視鏡検査を行っています!

経験豊富な医師は苦痛の少ない内視鏡検査を実施いたします。
過去に大腸カメラや胃カメラの検査で痛みや苦しさを感じた方や、内視鏡検査に対してネガティブなイメージをお持ちの方も、安心して検査を受けていただけるよう、様々な工夫を凝らしていております。

 

監修:仁愛堂クリニック 院長 小林俊一

仁愛堂クリニック 診療時間 TEL:0120-905-728 お電話でのお問い合わせはこちら 内視鏡検査専用TEL:0120-905-728
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