内視鏡検査の豆知識
胃のバリウム検査と内視鏡検査、大腸の便潜血検査と内視鏡検査について、リスクを中心に医師ならではの視点で解説しています。
胃はバリウム検査だけで大丈夫と思っていませんか?
バリウム検査のデメリット
- 早期がんや食道がんの発見に向かず、見落としが多い
- 放射線による被ばく量が多い
- 検査時の膨満感や検査後の便秘や下痢
- 検査時に頻回に体位変換するために、足腰の弱い方は難しい
- 再検査になった場合は内視鏡の検査を行わなければならない
バリウム検査は初期の胃がんや食道がんを見落としやすい検査です
会社などで行う検診では、通常、胃のバリウム検査を行います。バリウム検査は、立体である身体を影絵のように平面で見ています。これでわかるのは粘膜の凸凹ですが、初期の胃がんや食道がんには粘膜の凹凸がほとんどなく、微細な色彩変化で発見するしかないため、バリウム検査で初期の胃がんや食道がんを見つけるのはとても難しいのです。また、食道は口から胃までの間にありますから、飲んだバリウムがここに留まることができず食道がんの発見には向いていません。こうしたことから、バリウム検査では胃がんや食道がんがかなり進行した状態で見つかり、開腹手術や抗がん剤治療などが必要になるケースが多いのです。
胃がんは特に早期発見が重要な病気です。内視鏡であれば、粘膜の状態を直接観察できるため、微細な凹凸や色彩変化をしっかり見つけることができますし、最新機器では照射する光を変えて画像処理を行うことでごく初期の病変をより見つけやすくなっています。こうした段階で発見できれば、ほとんどの場合、内視鏡だけで病変を取り除くことができますし、完治する可能性も高く、日常生活への復帰もしやすいのです。
胃バリウム検査は胸部X線写真の150~300倍もの被ばく量
さらに、バリウム検査では放射線を照射するレントゲン撮影を行いますので、被ばくというリスクもあります。特に、胃バリウム検査は被ばく量が多い検査です。胸部X線写真は1回の被ばく量が0.1mSyですが、胃バリウム検査は15~25mSyもの被ばく量にもなります。
さらに検診車などで行う間接撮影では小さな画像しか得られないため20~30mSyもの被ばく量になります。胃バリウム検査が胸部X線写真の150~300倍もの被ばく量があることは、案外知られていません。
放射線はDNAを損傷する作用を持ち、蓄積性があるやっかいな相手です。傷ついたDNAが原因で“発がん”が起こるためには1回の被ばく量が50~200mSyと言われていますので、1回胃バリウム検査を受けたから発がんすることは考えられませんが、毎年受けていると蓄積されていつか発がんに結び付く可能性はゼロではありません。
イギリスで行われた15ヶ国を対象とした調査の結果、75歳までにがんになる日本人の3.2%が放射線診断による被ばくに誘発されているというデータがあり、他国に比べ最も多い数字だったと報告されています。
医療被ばくは、それを上回るメリットがあってこそ意味があります。内視鏡検査に比べて精度が劣り、早期がんを発見しにくいことも考えると、被ばく量の多い胃バリウム検査は決しておすすめできる検査とは言えないのです。
バリウムを飲むことや排出でつらい思いをしていませんか?
どろりとしたボンドのようなバリウムを飲むのに苦労する方は多いと思います。飲んだ後も、お腹が張るだけでなく、確実に排出されるよう強い下剤が入っているので、その作用に苦しい思いをする場合もあります。また便秘がちで下剤が効きにくい場合には、なかなか排出されないこともあります。このように、バリウム検査は日常生活への影響が案外大きいものなのです。
大腸がん検査は便潜血検査だけで十分だと誤解していませんか?
進行した大腸がんでも陽性にならないことも
便潜血検査は、かなり進行した大腸がんでも便潜血が陽性にならないこともよくあります。特に小腸に近い部分の大腸にある便は水分を多く含んでいるため、ここにがんやポリープがあっても便がそれに引っかかって擦れるということがなく、出血しないので陽性になりません。
怖い大腸がんを内視鏡検査による早期発見で予防できます
大腸がんは症状が出にくいがんであり、自覚症状が現れた時には症状が進んでしまっていることが多い病気です。食生活の欧米化などにより増え続け、現在では女性のがん死因の第1位、男性のがん死因の第3位となっています。このまま推移したら、2020年には男女とも、がん死因の第1位になるとも言われています。
こうしたことから大腸がんには怖いイメージがあると思いますが、大腸がんは早期発見と治療により、日常生活にほとんど影響を及ぼすことなく完治できる病気です。大腸がんは直接粘膜を観察できる内視鏡検査であれば早期発見と治療が可能ですし、大腸がんのほとんどはポリープが原因になっているため、ポリープの段階で切除できれば効果的な予防になります。
つらくない楽な内視鏡検査で大腸がん予防
当院では、内視鏡検査前に飲む下剤の量を抑え、炭酸ガスを使うことでお腹の張りを軽減し、ご希望があれば軽い鎮静剤を使ってウトウトしている間に検査を受けられるようにしています。また、検査手法も腸に極力負担をかけない手技で内視鏡を挿入し、経験豊富な医師が丁寧に検査しています。また、当院で導入している内視鏡機器は、光を変えてごく軽い病変を見つけやすくする最新のシステムを搭載しています。また、ポリープが見つかった場合も同日に日帰りで切除できます。手術の際には、コールドポリペクトミーによる出血・穿孔リスクの少ない方法も採用しています。
仁愛堂クリニックでは地元の江戸川区平井、江戸川区小松川、墨田区立花、墨田区文花、墨田区墨田、はもちろんですが、JR総武線の近隣駅である亀戸、錦糸町、両国、浅草橋、秋葉原、新小岩、小岩、千葉県の市川、本八幡、西船橋、船橋、津田沼、東武亀戸線の東あずま、亀戸水神、小村井、曳舟、東京メトロ半蔵門線押上、住吉、東武スカイツリーライン、東向島、鐘ヶ淵、からも診察や内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)受診目的でご来院していただいております。また、江東区大島、東大島、西大島、墨田区江東橋、墨田区業平、墨田区横川などからの患者様もいらっしゃいます。
遠方の方やご自宅での下剤服用に不安がある方でも安心して内視鏡検査を受けていただくために、院内にも下剤服用スペースを準備しております。また、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の開始時間のご相談にも可能な限り対応させていただいておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
当院は
・JR総武線平井駅北口徒歩4分です。改札を出て正面に看板があります。
北口ロータリーを超えて、3つの横断歩道を超えて、蔵前橋通りに出ます。
蔵前橋通り沿いにある小松川信用金庫本店とタイムズ駐車場の間にある細道を進み、区立平井保育園を超えたところです。
・東あずま駅より徒歩約10分。
東あずま駅を出て、丸八通りを越えて、しばらく直進し、平井橋を渡ります。さらに直進し左手側に自動車整備会社(はい屋モーター株式会社)のある交差点を左折。少し先の諏訪神社を超えてすぐ右折したところです。のぞみ薬局平井店の隣になります。