【医師解説】健康診断で「肝機能異常」を指摘されたらどうする?
2026.01.06更新
皆様、こんにちは。地域の皆様の健康を支えるパートナーでありたい、当院のブログへようこそ!!
「健康診断、今年も無事に終わったな」と一安心。…でも、届いた結果通知を開いてみて、少しドキッとしたことはありませんか?
特に、「肝機能」の項目に付けられた『要再検査』や『要精密検査』の文字。
「お酒を少し飲みすぎただけかな?」「特に体調は悪くないし、忙しいから後回しでいいや」
そんな風に、封筒を机の引き出しにそっと閉まってしまっている方にこそ、この記事を読んでいただきたいのです。今日は、私たちの体の中で文句も言わずに働き続ける「肝臓」からのサインについてお話しします。
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《肝機能異常とは?》
健康診断の項目にある「AST」「ALT」「γ-GTP」といった数値が、基準値から外れている状態を指します。
肝臓は「化学工場」とも呼ばれ、私たちが食べたものをエネルギーに変えたり、アルコールや老廃物を解毒したりと、500種類以上の仕事をこなしています。肝機能異常とは、何らかの理由でこの工場の働きがスムーズにいかなくなっている、あるいは肝臓の細胞が傷ついている状態を教えてくれるアラートなのです。
《「数値の目安」と「危険度」を知ろう》
「再検査と言われても、どれくらい悪いのかわからない」という声をよく伺います。一般的な目安を整理しました。ご自身の結果表をお手元に置いて、確認してみてください。
・経過に注意: 肝臓が少しお疲れ気味です。生活習慣の見直しが必要です。
・再検査が必要: 肝細胞の破壊が進んでいるか、胆石などのトラブルが隠れている可能性があります。自覚症状がなくても、一度詳しく調べることをお勧めします。
・100を超えている場合: これは「体からのSOS」です。できるだけ早く当院を受診してください。
《症状の特徴》
「肝臓は沈黙の臓器」という言葉を聞いたことはありませんか?
実は、肝臓は多少のダメージを受けても文句を言わずに働き続けます。そのため、肝機能の数値が悪くなっていても、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
「体がだるい」「食欲がない」「白目の部分が黄色くなる(黄疸)」といった、はっきりとした症状が出る頃には、病気がかなり進行してしまっていることが多いのです。だからこそ、症状がない段階で見つかる「健康診断の数値」は、肝臓が発信している数少ない「助けて」の合図なのです。
《肝機能異常が起こる原因》
原因は、お酒(アルコール)だけではありません。最近増えているのは、「食べすぎ」や「運動不足」による脂肪肝です。
• アルコール: 過度な飲酒によって肝臓に負担がかかる。
• 脂質・糖質の摂りすぎ: 余ったエネルギーが脂肪として肝臓に溜まる(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)。
• ウイルス: 肝炎ウイルス(B型・C型など)への感染。
• 薬やサプリメント: 体質に合わない薬剤やサプリによる負担。
《肝機能異常の種類》
一口に肝機能異常といっても、大きく分けて2つのタイプがあります。
① 肝細胞障害型: 肝臓の細胞そのものが壊れて中身が漏れ出している状態(主にAST、ALTが上昇↑)。
② 胆汁うっ滞型: 肝臓で作られた「胆汁」という液の流れが悪くなっている状態(主にγ-GTPが上昇↑)。
《肝機能異常の発生部位ごとの特徴》
肝臓は大きく分けて、肝細胞、胆管、血管という組織でできています。
• 肝細胞のトラブル: 脂肪肝やウイルス性肝炎など、肝機能全体に影響が出ます。
• 胆管(通り道)のトラブル: 結石や炎症などで胆汁の通り道が詰まると、数値が急激に跳ね上がることがあります。
《肝機能異常を引き起こす主な疾患》
放置してしまうと、以下のような深刻な病気に進んでしまう可能性があります。
1) 脂肪肝: 肝臓に脂肪が30%以上溜まった状態。これが続くと「脂肪肝炎」へと進行することも。
2) 肝炎: 肝臓が炎症を起こし、細胞が次々に壊れていく状態。
3) 肝硬変: 炎症が続き、肝臓がカチカチに固まって元に戻らなくなった状態。
4) 肝臓がん: 肝硬変などが進行して発生する悪性腫瘍。
《肝機能を和らげるために自分でできる対処法は?》
再検査に行くことも大切ですが、日々の生活で肝臓をいたわることも重要です。
• 「休肝日」を作る: 週に2日はお酒を飲まない日を作り、肝臓を休ませましょう。
• 「腹八分目」と「糖質オフ」: ご飯、パン、甘いもの、ジュースの摂りすぎは、ダイレクトに肝臓の脂肪になります。
• 適度な運動: 1日30分程度のウォーキングは、肝臓に溜まった脂肪を燃焼させる特効薬です。
《受診をした方が良い場合は?》
健康診断で以下の判定が出た場合は、迷わず受診してください。
◎「要再検査」「要精密検査」の判定。
◎「C判定(経過観察)」であっても、昨年より数値が悪化している。
◎ お酒を飲まないのに、数値が基準値を超えている。
「忙しくて時間が取れない」という方も多いかと思いますが、放置が一番の大きなリスクです。当院ではスムーズな検査体制を整えています。
当院に来ていただいた場合、まずは丁寧にお話を伺い、必要に応じて以下の検査を行います。当院では、患者様の貴重な時間を大切にするため、検査の待ち時間短縮に努めています。
《主な検査内容》
① 血液検査(採血): 健康診断よりさらに詳しく、肝炎ウイルスの有無や、肝臓の線維化(固くなっていないか)を調べます。効率的な採血システムにより、スムーズなご案内が可能です。
② 腹部超音波(エコー)検査: ゼリーをお腹に塗って、機械を当てるだけの痛くない検査です。肝臓の形、脂肪のつき具合、腫瘍の有無、胆石がないかなどを直接目で確認します。予約状況にもよりますが、できる限りお待たせせずに実施できる体制を整えております。
《どのような診断と治療が行われるの?》
検査結果に基づき、ライフスタイルに合わせたプランをご提案します。
• 生活習慣の改善: 無理なダイエットではなく、続けられる食事・運動のアドバイスを行います。
• 経過観察: 数ヶ月おきに定期チェックを行い、数値の推移を見守ります。
• 専門的治療: ウイルス性肝炎などの場合は、最新のお薬による治療や、高度医療機関へのご紹介をスムーズに行います。
当院では、患者様がリラックスしてお話しいただけるよう、明るく落ち着いた診察室をご用意しています。
「病院は待ち時間が長くて疲れる」というイメージを払拭できるよう、スタッフ一同が連携し、受付から採血、エコー検査、そしてお会計までをスピーディーに行うことを心がけています。
また、私たちが一番大切にしているのは、患者様との「対話」です。「お酒がやめられないんだよね」「忙しくて運動する時間がない」といった悩みも、遠慮なくお聞かせください。地域の皆様が10年後、20年後も笑顔で過ごせるよう、一緒に健康を考えていきましょう‼
最後に…
健康診断の結果は、いわば「体からのラブレター」です。数値に異常があったということは、体が「少し休ませて」「今のうちに気づいて」とあなたにサインを送っているということ。
「再検査に行きたいけれど、時間がかかるのは困るな」と迷われているなら、ぜひ当院へお越しください。その不安を安心に変えるお手伝いを、スピーディーかつ丁寧にさせていただきます。ご家族やご友人のなかで「結果を放置している」という方がいらっしゃれば、ぜひ「一度話を聞きに行ってみたら?」と優しく声をかけてあげてくださいね。
皆様のご来院を、スタッフ一同、温かくお待ちしております。
診察・検査のご予約はホームページよりお待ちしております。
江戸川区平井 仁愛堂クリニック
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 ~~
日本内科学会 総合内科専門医
健康や病気について学べるクリニック
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