胃痛
~消化器のプロが腹痛の原因を解明|内視鏡とカメラを駆使する専門クリニック~
胃痛とは?症状の特徴と主な原因
胃痛とは、みぞおちや胃のあたりに感じる痛みや不快感を指します。その痛みは「キリキリ」「シクシク」「ズキズキ」と表現されるように多岐にわたり、痛むタイミングや、胸焼けを伴うかどうかも、その原因を特定する重要な手がかりとなります。
胃痛の主な原因
胃痛を引き起こす原因は、主に以下の3つに分類されます。
1. 消化器系の疾患:胃や腸、食道などの消化器に直接的な問題がある場合です。
2. ストレスや生活習慣の乱れ:過度のストレスや不規則な生活、食生活の乱れが、胃の機能に影響を与えることがあります。
3. 胃以外の病気:心臓や胆のう、膵臓といった胃の周辺臓器の病気が、胃痛として感じられるケースもあります。
胃痛を引き起こす主な疾患
胃痛の背景には、以下のような疾患が隠れていることがあります。
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜が炎症を起こす病気です。胃痛に加え、胸焼けや喉の違和感、呑酸(口の中に酸っぱいものがこみ上げてくる感覚)などの症状を伴います。食後や前かがみの姿勢、横になったときに症状が強くなるのが特徴です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、ただれた状態です。 胃潰瘍は、食事中や食後に痛むことが多い一方、十二指腸潰瘍は、空腹時や夜間に痛みが強くなる傾向があります。ピロリ菌感染やストレス、鎮痛剤の副作用などが主な原因とされています。進行すると、出血や穿孔(穴があくこと)を起こし、吐血や黒い便(タール便)がみられることもあります。
機能性ディスペプシア(ストレス性胃痛)
胃の痛みや不快感、もたれといった症状が慢性的に続くにもかかわらず、内視鏡検査などで明らかな異常が見つからない病気です。ストレスや自律神経の乱れ、胃の知覚過敏、運動機能の低下などが関与していると考えられています。
胃がん・大腸がん
心筋梗塞・狭心症
心臓の血管が狭くなったり詰まったりすることで起こる病気ですが、みぞおちや上腹部に痛みとして感じられることがあります。特に、冷や汗を伴う激しい痛みや、痛みが5分以上続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
胆石発作
胆嚢には脂肪の消化を助ける胆汁液が蓄えられています。脂肪分を摂取した時に胆嚢が収縮し、胆汁液が流れ、膵液と混ざって脂肪の分解と吸収が促進されます。胆嚢内に胆石が出来ると、胆汁の流れと同じように、脂肪を摂取した時に胆石が動き、狭い部分で詰まった時に右季肋部から上腹部にかけての激しい痛みが出現します。
感染性腸炎(アニサキス症、ノロウイルス)
細菌やウイルス、寄生虫(アニサキスなど)が原因で胃腸に炎症が起こる病気です。激しい腹痛に加え、吐き気、嘔吐、下痢、発熱などを伴います。
急性膵炎
膵臓に急性の炎症が起こる病気で、激しいみぞおちや上腹部の痛みが特徴です。飲酒量の多い方や、胆石がある方に起こりやすいとされています。
自分でできる対処法|胃痛を和らげるには?
軽度の胃痛であれば、自宅でのセルフケアによって症状を改善できる場合があります。
食事の工夫
- 胃に優しい食事を:(おかゆ、うどん、豆腐、白身魚など)消化の良い食べ物を選びましょう。
- 刺激物を避ける:辛い物、カフェイン、アルコール、脂質の多い食事は胃に負担をかけるため控えましょう。
- よく噛んでゆっくり食べる:早食いは胃の負担を増やす原因になります。よく噛むことで唾液に含まれる消化酵素の働きも助けられます。
ストレス管理と生活習慣の改善
- 十分な睡眠と適度な運動:規則正しい生活リズムは、自律神経を整え、胃の働きを改善します。
- リラックスする時間を作る:深呼吸や趣味、入浴などでストレスを解消し、心身を休ませましょう。
市販薬の選び方と注意点
市販の胃薬には、胃酸を抑えるタイプ、胃粘膜を保護するタイプ、消化を助けるタイプなどがあります。ご自身の症状に合わせて適切な薬を選び、用法・用量を守って服用しましょう。ただし、長期間服用しても症状が改善しない場合は、自己判断をせず、医師の診察を受けることが重要です。
こんな場合は受診をお勧めします
以下の症状がある場合は、重大な病気が隠れている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
診断と治療の流れ
当院では、胃痛の原因を正確に特定し、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療を提供します。
1.問診
まずは問診を行い、痛みの場所、強さ、持続時間、食事との関連、その他の随伴症状など、詳しくお話を伺います。その後、触診で腹部の状態を確認し、必要に応じて以下の精密検査をご提案します。
2.必要に応じた検査
・血液検査:炎症の有無や貧血の進行度合い、臓器の機能などを評価します。
・ピロリ菌検査:ピロリ菌感染の有無を調べます。陽性の場合は、除菌治療によって慢性胃炎や胃潰瘍の再発リスクを下げることができます。
・内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ):食道や胃、十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症、潰瘍、ポリープ、がんなどの病変の有無を詳細に確認します。特に胃がんや胃潰瘍、大腸がんの疑いがある場合、早期発見のために推奨されます。
・腹部超音波検査(腹部エコー):超音波を用いて、肝臓、胆のう、膵臓などの状態を調べます。
・腹部CT・MRI検査:腹部全体を広範囲に確認し、より詳細な情報を得ます。
当院では、連携している画像専門クリニックへご案内しています。
内視鏡検査は、「苦しい」「つらい」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では患者様の負担を最小限に抑えるよう、鎮静剤をおすすめしています。
胃痛を予防する食習慣と生活習慣の工夫
胃痛や胸焼けを繰り返し起こす方は、日々の生活を見直すことが予防につながります。
ここでは、より具体的な予防法をご紹介します。
1.胃にやさしい食事のポイント
胃に負担をかけない食事が基本です。
• 食べる量と時間:
暴飲暴食は避け、腹八分目を心がけましょう。寝る直前の食事は、胃酸の逆流を招きやすいため、就寝の2~3時間前には食事を終えるようにしましょう。
• 調理法を工夫する:
揚げ物や炒め物などの脂っこい料理は、胃の中に留まる時間が長いため、煮る、蒸す、茹でるなどの調理法を選ぶと良いでしょう。
•避けるべき食品:
o脂質・糖質の多い食品:ケーキ、ドーナツ、揚げ物などは消化に時間がかかり、胃もたれの原因になります。
o 酸味の強い食品:かんきつ類、トマト、酢の物などは、胃酸の分泌を促し、胸焼けにつながることがあります。
o 香辛料や刺激物:唐辛子や胡椒などの香辛料、コーヒー、炭酸飲料は胃を刺激します。
2.胃痛を和らげる食事の例
• 主食:おかゆ、うどん、雑炊、食パン
• たんぱく質:豆腐、鶏のささみ、白身魚、卵
• 野菜:キャベツ、大根、じゃがいも、ほうれん草など。繊維の多いごぼうやたけのこは控えめに。
• 乳製品:ヨーグルト、牛乳
これらの食品を、温かくしてゆっくりと噛んで食べることを心がけましょう。
3.ストレスを軽減する生活習慣病
胃は「第二の脳」とも呼ばれ、ストレスの影響を非常に受けやすい臓器です。
• 規則正しい睡眠:十分な睡眠時間を確保し、生活リズムを整えることが自律神経のバランスを保つ上で重要です。
• 適度な運動:ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、気分転換になり、ストレス解消に効果的です。
• リラックスタイムの確保:入浴、アロマセラピー、好きな音楽を聴く、読書をするなど、ご自身がリラックスできる時間を作りましょう。
胃痛のメカニズム/なぜ胃は痛むの?
胃痛のメカニズムを理解することで、より効果的な対策を立てることができます。
1.胃の防御機能と攻撃因子のバランス
私たちの胃の粘膜は、強力な消化液である胃酸から守られるために、いくつかの防御機能を備えています。
• 胃粘液:胃の壁を覆い、胃酸から粘膜を保護するバリアです。
• 血流:胃粘膜の血流が良好だと、傷ついた粘膜の修復が促されます。
•プロスタグランジン:胃酸の分泌を抑え、胃粘液の分泌を促進する働きがあります。
これらの防御機能に対して、胃酸やペプシン(タンパク質を分解する酵素)、ストレス、ピロリ菌、アルコール、薬などが攻撃因子となります。通常は防御機能と攻撃因子のバランスが保たれていますが、このバランスが崩れると、胃粘膜が傷つき、胃痛が発生します。
2.自律神経と胃の動き
自律神経は、私たちの意思とは関係なく内臓の働きをコントロールしています。胃の動きや胃酸の分泌も、自律神経によって調整されています。
• 交感神経:ストレスを感じたときに優位になり、胃の血流を悪くし、胃の動きを抑制します。
• 副交感神経:リラックスしているときに優位になり、胃の血流を良くし、胃酸の分泌を促します。
ストレスが続くと交感神経が優位になり、胃の防御機能が低下します。さらに、ストレスによって胃の知覚が過敏になり、わずかな刺激でも痛みを感じやすくなることがあります。これが、機能性ディスペプシアやストレス性胃痛の主な原因と考えられています。
内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の重要性
1.内視鏡検査でわかること
内視鏡検査では、食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察し、以下の病変を発見することができます。
• 炎症:赤みやただれ、腫れなど、粘膜の炎症状態を確認します。
• 潰瘍:胃や十二指腸の粘膜が深くえぐれている状態を確認します。
• ポリープ:粘膜から盛り上がった病変を確認します。
• がん:粘膜の色の変化や凹凸、出血など、がんの兆候を早期に発見します
これらの病変は、腹部超音波検査やCT検査では見つけにくいことがあります。特に、早期の胃がんは症状がないことが多いため、定期的な内視鏡検査が重要となります。
最後に
胃痛は、単なる不調から重大な病気のサインまで、様々なメッセージを発しています。
軽度の症状であっても、「もしかしたら…」と感じた場合は、放置せずに一度当院にご相談ください。
正確な診断と適切な治療によって、症状の早期改善と心身の安心を取り戻すことができます。気になることがございましたら、お気軽に仁愛堂クリニックまでお問い合わせください。
~医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医 監修~
仁愛堂クリニックでは地元の江戸川区平井、江戸川区小松川、墨田区立花、墨田区文花、墨田区墨田、はもちろんですが、JR総武線の近隣駅である亀戸、錦糸町、両国、浅草橋、秋葉原、新小岩、小岩、千葉県の市川、本八幡、西船橋、船橋、津田沼、東武亀戸線の東あずま、亀戸水神、小村井、曳舟、東京メトロ半蔵門線押上、住吉、東武スカイツリーライン、東向島、鐘ヶ淵、からも診察や内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)受診目的でご来院していただいております。また、江東区大島、東大島、西大島、墨田区江東橋、墨田区業平、墨田区横川などからの患者様もいらっしゃいます。
遠方の方やご自宅での下剤服用に不安がある方でも安心して内視鏡検査を受けていただくために、院内にも下剤服用スペースを準備しております。また、内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の開始時間のご相談にも可能な限り対応させていただいておりますので、ご希望の方はお気軽にご相談ください。
当院は
・JR総武線平井駅北口徒歩4分です。改札を出て正面に看板があります。
北口ロータリーを超えて、3つの横断歩道を超えて、蔵前橋通りに出ます。
蔵前橋通り沿いにある小松川信用金庫本店とタイムズ駐車場の間にある細道を進み、区立平井保育園を超えたところです。
・東あずま駅より徒歩約10分。
東あずま駅を出て、丸八通りを越えて、しばらく直進し、平井橋を渡ります。さらに直進し左手側に自動車整備会社(はい屋モーター株式会社)のある交差点を左折。少し先の諏訪神社を超えてすぐ右折したところです。のぞみ薬局平井店の隣になります。






















