【プール熱(咽頭結膜熱)について】
東京都保健医療局によると、8月から患者が増え始め、台東区、江戸川区、江東区など、子どもを中心に流行するプール熱の感染が警報基準に達したと発表されました。都で警報基準に達するのは、1999年の統計開始以来初めてとなる。
以前、当院のブログでもプール熱について掲載いたしましたが、また流行してきたとのことなので、再掲載いたします。
【 プール熱とは 】
プール熱は〝咽頭結膜炎〟とも呼ばれており、アデノウイルスが原因で引き起こされる風邪の一種です。日本ではプールの水を介してヒトからヒトへ感染することが多いため、プール熱と呼ばれています。一年を通して感染しますが、例年6月頃から感染が増え始め、7月~8月をピークに流行します。
【 症状 】
・潜伏期間は2~14日
・咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、39℃前後の発熱が数日~1週間続く
・頭痛をはじめ、食欲不振が3~7日続く
・目やに、涙が多くなる、目がかゆい、まぶしがる
上記の症状があった場合は要注意!
【 治療 】
アデノウイルスに対しての特効薬はないため発熱には解熱剤、咽頭痛にはうがい薬や鎮痛薬、結膜炎に対しては抗生剤やステロイドの点眼薬を使うなどといった対症療法になります。また、脱水を起こさないよう経口補水液などで水分補給しましょう。個人差はありますが、早くて1週間、長くても2週間ほどで症状は治まってきます。
プール熱は学校保健安全法における学校感染症となるため、発症した場合には出席停止となります。症状が無くなって2日後から登校できます。
【 予防策 】
・流水と石けんによる手洗い、うがいの徹底。
・目やにや唾液が感染源となるため、感染者との密接な接触を避ける。使用したタオルは洗っても感染する場合があるため分けて洗うようにしましょう。
・プールの前後にはシャワーを浴び、うがいをしましょう。
・免疫が下がると感染しやすくなるため、バランスの取れた食事・十分な睡眠で普段から抵抗力をつけておくことも大切です。
【 プール熱にかかったら 】
・のどに痛みがあるためオレンジジュースなどの刺激のあるものは避け、喉ごしのいい冷たい飲み物にしましょう。(例えば飲み物は麦茶、牛乳、冷めたスープなど)
・食べ物は刺激が少なく噛まずに飲み込めるものにしましょう。(例えばゼリーやプリン、冷めたおじや、豆腐など)
・手洗い、うがいの徹底。タオル類の共有は避ける。
・症状が無くなった後も喉から2週間、尿、便中から1カ月ほどウイルスが排出されるため、おむつ交換の際に使い捨ての手袋を使いましょう。
【 最後に 】
プール熱患者数が過去10年で最多となっています。また、今季はインフルエンザや新型コロナウイルスなど様々なウイルスが同時流行しているため、感染しないように手洗い・うがい、マスクの着用を心がけて感染対策に努めましょう。
ご不明な点や不安なことがあれば、お気軽に当院へお問い合わせ・ご相談ください。
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