【食道がん】
2022.08.27更新
【食道がんとは?】
食道とは、のど(咽頭)と胃をつなぐ管状の臓器で、食道の粘膜から発生するがんを食道がんといいます。
日本人の食道がんは約半数が食道の中央付近からでき、次に食道の下部に多くできます。粘膜に出来たがんが進行すると大きくなり、筋肉など壁の深いところにまで入り込んでいきます。
さらに進行すると、血管やリンパ管にがん細胞が流れだし他の臓器やリンパ節に転移する恐れもあります。
【食道がんの症状は?】
食道がんの症状は、初期には自覚症状がないことがほとんどですが、まれに刺激物(辛い、すっぱい)を食べたときにしみるような感覚を感じる場合があります。
初期にがん細胞が発見される場合は、人間ドッグなどの健康診断や定期検診において発見される場合が多いことがわかっています。
がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、飲食物がつかえる感じ、体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が出ます。
・飲食物がつかえる
がんが大きくなり食道の内側が狭くなると、飲食物がつかえやすくなり、次第に軟らかい食べ物しか通らなくなります。がんがさらに大きくなると、食道をふさいで水も通らなくなり、唾液も飲み込めずにもどすようになります。飲食物がつかえると食事の量が減り、体重が減少します。
・胸や背中の痛み
がんが進行して食道の壁を越えて、周囲にある肺・背骨・大動脈などに広がっていくと、胸の奥や背中に痛みを感じるようになります。また、食道がんが気管や気管支などに及ぶとその刺激によって咳が出ることがあります。また、声帯を調節している神経へ及ぶと声がかすれることがあります。
【食道がんの原因は?】
食道がんの原因は、喫煙、飲酒と関連していると言われています。
・喫煙
たばこを吸わない人に比べて、吸う人は約3倍危険が大きくなります。1日20本のたばこを20年間吸った人は、吸わない人の約5倍のリスクになるといわれています。
また、受動喫煙によっても食道がんの危険度は増すので、たばこを吸わない人も注意が必要です。
・飲酒
お酒を全く飲まない人に比べて、お酒に強く毎日4合程度飲む人の危険は約10倍以上になります。
また、お酒を飲むと顔が赤くなる人が同じように毎日4合程度飲むと、飲まない人の約100倍にも危険が大きくなります。
ただし、お酒が強い人でも、お酒を飲む量が増えるとリスクは上がります。
【検査方法は?】
食道がんが疑われる場合は、一般に内視鏡検査を行います。
内視鏡を食道に挿入し、病変を観察します。病変の位置、数、大きさ、広がり、形、色などから進行度がわかります。
また、バリウムを使った検査もありますが、バリウムを飲み込むタイミングや食道がんのできている場所によっては陰になって発見できないことがあります。そのため、バリウム検査で食道がんが見つからなかったとしても、注意が必要です。
(当院ではバリウム検査は行っておりません)
当院での内視鏡検査時に食道がんの疑いが見つかった場合は、入院設備がある協力・提携医療機関をご紹介させていただきます。
【予防方法は?】
がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
がんの発生には様々な条件、過程がありますので、がん予防の特効薬はありませんが、日々の心がけで、がんのリスクを減らすことは可能です。
【最後に】
当院で内視鏡検査が可能です。
早期発見の為に、なにか気になる症状がある場合は早めにご相談ください。