仁クリブログ

2022.10.27更新

高血圧は、自覚症状が乏しいですが、放置しておくと脳卒中や心筋梗塞などにつながる疾患です。このように聞くと怖いですが、生活習慣の改善や、薬物療法によって血圧のコントロールを行えば重大な疾患に至るリスクは低くなります。自分の血圧を把握し、血圧のコントロールを行っていくことが大切です。

 

〈血圧とは〉
心臓から送り出された血液が全身に栄養や酸素を送り届けることで生命を維持できています。血圧とは、この血液が血管に加える圧力のことをいいます。
心臓は血液を送り出すときにぎゅっと収縮します。このときに血管にかかる圧力を収縮期血圧といい、このとき血圧は最高値を示します。反対に、全身をめぐった血液が心臓に戻るときには心臓が拡張しますが、このときの血圧を拡張期血圧といい、最も低くなります。
高血圧とは、血管に過度の圧力がかかっている状態を指します。高血圧が続くと血管に負担がかかり、さまざまな疾患を引き起こす恐れがありますので、定期的に血圧を測定し、コントロールすることが重要です。

 

〈高血圧とは〉
高血圧とは、病院や健診施設などで測定した血圧値が、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)の状態をいいます。自宅で測定する家庭血圧では、それより低い135mmHg以上または85mmHg以上(135/85mmHg以上)が高血圧とされます。
高血圧患者さんのなかには、「健康診断では正常血圧だったけど、自宅で測ると高い」という方もいるため、できれば自宅でも測定するとよいです。
血圧は1日の間でも変動します。通常、睡眠中は低く、朝になると起床前からゆっくり上昇し、昼間の活動量が多い時間帯には高くなります。夕方になって活動量が減ると血圧も低下し、睡眠中はさらに低くなります。また、運動や食事、感情の変化の影響で変動することもあります。
一般的に睡眠中は血圧が低下しますが、なかには睡眠中に血圧が低下しない「夜間高血圧」や、朝方血圧が上昇する「早朝高血圧」の患者さんもいます。昼間の血圧が低くても、夜間や早朝の血圧が高くなることがあります。
夜間や早朝の高血圧が、脳卒中、心筋梗塞の発生につながることがあると言われているので、思わぬ時間帯の発生を予防するためにも、24時間、血圧をコントロールすることが重要です。

 

〈高血圧が原因で起こる病気〉
高血圧が続くと、動脈が硬く、もろくなる動脈硬化が起こり、脳・心臓などで、以下のようなさまざまな病気を引き起こします。

・脳出血
硬化した脳の細動脈に圧力がかかって、血管が破裂して起こる。頭痛、吐き気、めまいなどの自覚症状や、意識障害、手足の麻痺、口のもつれや言葉の障害といった症状がある。
・脳梗塞
動脈硬化で血管の内側が狭くなったところに、血栓(血液のかたまり)ができて血管がつまること。めまい、麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの症状がある。
・心肥大、心不全
心臓がどんどん血液を送り出そうと無理をすると心肥大につながる。心肥大が進行すると心不全が起こる。心肥大の症状として、疲れやすくなる、動悸、息切れ、呼吸困難、顔や足のむくみ、胸痛、食欲不振、全身倦怠感などがある。
・狭心症
心臓を取り巻く冠動脈が狭くなり、心臓を動かすための血流が不足する「心筋虚血」が起こる。突然、胸を締めつけられるような痛みや圧迫感を感じるが、この症状は数分、長くても15分程度でおさまる。
・心筋梗塞
冠動脈が完全にふさがって血流が途絶えるので、その部分の心筋は壊死する。激しい胸の痛み、呼吸困難、冷や汗、吐き気などの症状があり、長時間続く。
・大動脈解離
大動脈は、外膜、中膜、内膜の3層構造となっており、十分な強さと弾力を持っている。高血圧が続くと内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂けることを大動脈解離という。突然胸あるいは背中に激痛が起こり、病状の進展につれて痛みが胸から腹、さらに脚へと下向きに移っていくのが特徴。いきなり意識消失状態やショック状態となる人も少なくない。裂けた箇所や病状の進展によって、大動脈弁閉鎖不全や脳虚血症状(意識消失、麻痺)、腸管虚血症状(腹痛、下血)、腎不全、下肢虚血症状などの併発症状を引き起こすこともある。また、血管が破裂したり、血液が血管外へ染み出すと、心臓の動きが悪くなったり(心タンポナーデ)、胸に血液がたまる(血胸)。大動脈破裂により出血性のショックとなり、死に至る可能性もある。主要な臓器への血管に裂け目が進展すると、血流障害によって各種臓器が虚血壊死を起こし、死に至ることもある。
・腎硬化症、腎不全
高血圧は、腎臓にも影響を及ぼす。腎臓は小さな動脈のかたまりのような臓器で、血液を濾過して尿を作る。高血圧によって動脈硬化が進むと腎硬化症、さらに進むと腎機能が著しく低下する腎不全になる。すると尿を作る働きが衰えて体内に老廃物がたまり、人工透析をしないと生命が維持できなくなる。

 

〈高血圧の治療の基本〉
高血圧の治療には、非薬物療法と薬物療法があります。非薬物療法とは、減塩、節酒、運動、禁煙、十分な睡眠、ストレス軽減など生活習慣の改善による治療です。軽度の高血圧であれば、生活習慣の改善のみで、薬物療法を必要としないこともあります。薬物療法を受ける場合でも、薬の効果ばかりに頼るのではなく、生活習慣の改善と並行して行うことが重要です。

 

 

★内科専門医による総合医療、全人的医療を提供している仁愛堂クリニックです。総武線平井駅から徒歩4分と近いので、是非ご来院下さい。

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