仁クリブログ

2022.11.04更新

【感染性胃腸炎について】

冬に流行る病気1位と言われているのが感染性胃腸炎です。

感染性胃腸炎は「細菌性胃腸炎」と「ウイルス性胃腸炎」の2種類あり、どちらも吐き気や嘔吐・腹痛・下痢・発熱といった症状があらわれます。これらの症状は細菌性・ウイルス性で度合いが変わることもあります。

細菌性胃腸炎では腹部の膨満感や血便が見られることもあります。
多くは食品や汚染された水から感染しますが、人やペットとの接触により感染することもあります。
感染性胃腸炎の症状である下痢は主に「水下痢」で、悪化すると脱水症状を起こし重篤化することもあるので注意が必要です。

原因となるウイルスは「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「アデノウイルス」等ですが、中でも多いのがノロウイルスで、感染力も強く、特に注意が必要です。
ノロウイルスは食中毒統計では、毎年1万人を超えていますが、多くの人はウイルスの検査をしないため、実際は100万人以上の感染があると推定されています。

 


★病原体       ★原因            ★潜伏期間
ノロウイルス    汚染された二枚貝や井戸水など  1~2日
ロタウイルス    汚染された水、二枚貝       1~3日
カンピロバクタ-   鶏肉               1~7日
腸管出血性大腸菌   生肉や加熱不十分な肉       3~8日
サルモネラ菌     生肉(特に鶏)、卵、ペット     6~72時間
ウェルシュ菌     煮込み料理など          6~18時間
ブドウ球菌      汚染された食品          3時間
腸炎ビブリオ     魚介類              1日以内

 


「症状は?」
感染性胃腸炎の症状は、病原体により多少異なりますが、下痢、悪心、嘔吐、腹痛、発熱などです。特に下痢はほぼ必発です。病原体によっては血便が出ることもあります。また、感染当初発熱が先行して、その後に嘔吐、下痢など腹部症状が出現することもあります。乳幼児や高齢者の場合には、脱水症状に陥るケースも多くあり、時に重症となります。
脱水症状を引き起こさないためには、水分補給が大切ですが、症状が強い時には、小量の水分さえ受け付けない状態になり、このような場合は、点滴などの処置を受ける必要があります。
軽症のケースでは「風邪かな?」「疲れかな?」程度に思って放っておく人も少なくありません。しかし、それが思わぬ方向に――。
症状が治まった後も便の中には1週間から1カ月程度ノロウイルスが排泄されるといわれています。それを知らずにいると、自分自身が周囲の人々の感染源になってしまうのです。


「日常生活で気を付ける事」
原因菌やウイルスは、基本的には加熱処理をすることで、死滅させることができます。そのため、しっかりと火が通ったものを食べることが大切です。
予防のために大切なのは、手洗いと消毒です。手洗いは外出から帰った時、食事前、トイレの後などこまめに行いましょう。消毒はアルコール消毒が効果的ですが、ノロウイルスやロタウイルスは抵抗力があります。ノロウイルスやロタウイルスが疑われる場合は次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などで消毒すると効果的です。
また、感染者とのタオルの共用はやめ、ペーパータオルなどを使用しましょう。


「治療」
特効薬はありません。一般的には自然治癒しますので、症状が軽いようなら水分摂取を心がけて、安静にして、自然に良くなるのを待ちましょう。
ある程度、症状が強い時は、対症療法を行います。
感染を起こして下痢が始まると腸内細菌のバランスが崩れるため、それを整えるために整腸剤や乳酸菌製剤が使用されることがあります。下痢に伴う脱水に対しては点滴が行われます。抗菌薬はあまり使用されません。

 

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