仁クリブログ

2023.01.12更新

高尿酸血症について

 

【高尿酸血症とは】
血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
尿酸が高いだけでは、自覚症状はありませんが、進行していくと、結晶となった尿酸が関節・足先や耳たぶなどにたまります。そしてその部分に炎症が起こり、激痛の痛風発作が起こります。また腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じたり、痛風腎を引き起こし腎臓の機能を低下させます。老廃物を尿として排泄できない腎不全にまで悪化すれば,透析を受けなければなりません。
尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。尿管で起こった場合は尿管結石、膀胱で起こった場合は膀胱結石といい、これらを合わせて尿路結石と言います。
高尿酸血症や痛風・尿路結石は、男性に圧倒的に多い病気です。女性は女性ホルモンによって尿酸値がコントロールされるため、男性に比べれば少ないのですが、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後にはやや増加します。


【尿酸とは】
体内のエネルギー源や核酸の成分として重要なプリン体という物質の老廃物です。尿酸は通常体内では尿と一緒に排泄されます。
しかし、不適切な食生活やアルコールを多量に摂取する生活習慣などが原因で、排泄されるはずの尿酸が体内で一定量をオーバーしてしまい、さまざまな生活習慣病を引き起こすとされています。


【プリン体とは】
人が生きていくうえで欠かせないエネルギーと遺伝情報をつかさどる核酸の減量となるものです。
生きている限り体内でプリン体はつくられ続けます。
しかし、体のバランスがくずれてプリン体の老廃物である尿酸の排泄量が少なくなったり、プリン体を多く含む物質を摂取すると、プリン体が体内で過剰となります。
その老廃物である尿酸が増え、高尿酸血症・通風を引き起こす結果となります。


【自覚症状がなくても油断禁物】
生活習慣病は自覚症状が乏しいため,そのまま放置されやすいのが特徴です。しかし放っておくと動脈硬化を進行させ,脳卒中や心臓病といった命に関わる合併症につながりますので,早めに見つけて進行を抑えることが大切です。
生活習慣病の原因は,過食・運動不足による肥満,アルコールの飲み過ぎなど,高尿酸血症の原因と重なっていますので,尿酸値を見れば生活習慣病が進行しているかどうかが分かります。「尿酸値が高い」と言われたら,痛風や尿路結石などの症状がなくても生活習慣を見直し,尿酸値を下げることが肝心です。なお詳しいメカニズムは分かっていませんが,高尿酸血症自体に脳卒中や心臓病を引き起こす原因があるともいわれています。


【予防】
尿酸値を下げる具体的な方法の第一は減量です。高尿酸血症の患者さんの多くは太り気味で、その患者さんが減量すると、尿酸値も下がります。
減量のためには、適切なカロリーで栄養バランスのよい食事をとること、そして適度な運動を続けることが欠かせません。なお、運動の強さが強過ぎると、逆に尿酸値が高くなるので注意してください。
減量に加えて、尿酸値を上げない工夫も必要です。例えばアルコール(とくにビール)を飲み過ぎない、体内で尿酸に変わる「プリン体」の多い食べ物(レバーなど)を食べ過ぎない、水分は1日1ℓをとるといったことです。


【治療】
治療は主に生活習慣の改善指導。それと薬物治療です。
薬の飲み始めには痛風発作の再発がよく見られます。慢性的に高い状態にあった尿酸値が急低下したときに,白血球が尿酸塩結晶を攻撃するためです。しかし服薬は,ここで勝手に中止せず続けることが大事です。
前述の通り,薬の飲み始めには痛風リスクが上がります。3〜6カ月かけて徐々に用量を増やし,ゆっくりと尿酸値を下げます。
服薬をやめるとすぐに高尿酸血症の状態に戻ってしまいます。自分の判断で服薬をやめたり量を減らしたりせず,決められた量を根気よく飲み続けることが大事です。

 

 

★内科専門医による総合医療、全人的医療を提供している仁愛堂クリニックです。総武線平井駅から徒歩4分と近いので、是非ご来院下さい。

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