仁クリブログ

2023.05.25更新

【肝炎について】

 

肝炎は、何らかの原因により肝臓に炎症が生じる疾患です。炎症により肝臓の細胞が破壊され、肝臓の機能が次第に低下していきます。肝炎の原因として最も多いものは、ウイルスの感染によって肝臓に炎症が起こる「ウイルス性肝炎」です。肝炎の原因となるウイルスは、主にA・B・C・E型の4種類が知られています。D型ウイルスによる感染は、日本ではめったに起こることはありません。特に慢性化しやすいとされているのはB型ウイルスとC型ウイルスによる肝炎です。
肝炎は治療せずに放置すると、肝硬変や肝がんなどのさらに重い疾患に進展していく場合があるため、早期発見、早期治療が非常に大切です。

・発熱、喉の痛み、頭痛などの風邪の様な症状
・食欲不振
・全身がだるい
・吐き気
・腹痛
・発疹
・皮膚や白目が黄色くなる
・尿が茶色くなる
などの症状が出現することがあります。

 

●A型肝炎
貝類や海外旅行での飲食によって感染します。日本は衛生環境が良くワクチンもあることから、大流行することはないと考えられています。急性肝炎の原因になりますが、劇症化(肝炎が急激に悪化し、肝細胞が大量に壊れて機能しなくなった「肝不全」といわれる状態)する症例は少なく、治癒して慢性化することはありません。

A型肝炎ウイルスの治療
慢性化することはなく、ほとんどが自然治癒します。食欲不振などに対する薬の投与を行うことがあります。肝臓に負担を与えないように糖類中心の低カロリー食が推奨されています。

 

●B型肝炎
輸血や出産、入れ墨、性交渉、針刺し事故などにより感染します。日本では1986年にワクチンが導入されたため、若年者の感染は減少しています。また、2016年10月よりユニバーサルワクチネーションが始まったことから今後はさらに感染は減少すると予測されます。出産後、乳児期に感染するとキャリアになり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進展する場合があります。成人で感染した場合は急性肝炎となり、一部は劇症化しますが、大部分は治癒します。しかし、外国由来のウイルス感染ではキャリア(B型肝炎ウイルスが肝臓内にすみつき、感染が持続している状態)になる場合があります。
また、劇症肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によるものが多く、劇症肝炎のうち40%がB型肝炎によるものと言われています。

※ユニバーサルワクチネーションとは
世界保健機構(WHO)は1991年、B型肝炎に関連した肝硬変・肝がんの発生を減らすため、B型肝炎ワクチンのユニバーサルワクチネーション(生まれたすぐの子供たちへのワクチン接種)を実施するよう全世界へ勧告し、日本を含め180か国以上の国で導入されました。さらに日本では、2016年10月から定期接種の対象になっています。

B型肝炎ウイルスの治療
インターフェロンや核酸アナログ製剤を用いて、ウイルスの活動を抑え、肝臓がさらに障害されることを予防します。現在の治療法では、ウイルスを完全に排除することは困難とされているため、肝硬変や肝がんなどのさらに重い疾患に進展させないことが治療の目標となります。

 

●C型肝炎
輸血や血液製剤、刺青により感染します。ワクチンはありません。感染しても肝炎は重症化せず、急性肝炎としての自覚症状がない場合もあります。劇症化は稀です。約30%ではウイルスが排除されますが、約70%はキャリアになり、慢性肝炎に移行します。肝硬変や肝がんに進展する原因のもっとも大きな要因となっています。
(※現在医療現場で使用されている輸血用血液や血液製剤は厳密な検査が行われているため感染は報告されていません)

C型肝炎ウイルスの治療
近年、C型肝炎ウイルスに対する薬は急速に進歩しています。医師の指導のもと正しい治療を選択することで経口薬(直接作動型抗ウイルス薬)によってウイルスを90%以上排除できるといわれています。これらの新しい薬により、ウイルスの完全な排除が治療の目標となります。なお、経口薬を使用しない場合には、注射薬(インターフェロン)を用いることもあります。

 

●E型肝炎ウイルス
豚、猪、鹿などの動物が保有するウイルスにより人にも感染します。患者は従来、発展途上国に多いと考えられてきましたが、最近では日本でも感染が確認されています。ワクチンもないため、生肉を食べないことが唯一の予防策となります。

 

E型肝炎ウイルスの治療
慢性化することはなく、ほとんどが自然治癒します。食欲不振などに対する薬の投与を行うことがあります。

 

★内科専門医による総合医療、全人的医療を提供している仁愛堂クリニックです。総武線平井駅から徒歩4分と近いので、是非ご来院下さい。

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