【夏のコロナについて】
8月も終わるころですが猛暑が続くなか、昨年同様多くの風邪症状の患者様が来院されてきます。
あくまでも私個人的な印象で、当院の正確な検査件数や陽性率の統計をとったのではないのですが、明らかに6月より7月、7月より8月と新型コロナウィルスPCR/インフルエンザ抗原検査件数は著しく増加している印象です。例えば6月の時点では新型コロナウィルスPCR検査キット1箱24個入りを5箱程度準備すれば約2週間持ちましたが、8月現在では10日で10箱準備しておかなければ間に合わない状況です。特に日曜日では来院される患者様の大半は発熱外来受診でその約7割は新型コロナウィルスPCR検査陽性の患者様でした。
今季夏の新型コロナウィルス流行を第9波とうたわれていますが、実は1月くらいの時点で今季夏に第9波が到来するであろうと予測されていました。別に、今年5月8日より新型コロナウィルス感染症は5類感染症に認定され、夏では各地イベント開催が行われた影響もあったのでは(?)とささやかれていました。
総務省の発表した新型コロナウィルス発生推移の1波から9波までのグラフを引用します。
上記グラフでもわかるように第8波は1月頃が最も多く、その前の7波は8波に次いで多く今年の9波とほぼ同時期です。また今年5類に分類された5月8日から徐々に件数が上昇しているのがわかります。しかしピークはほぼ周期的に発生するので5類分類の影響かどうかわかりません。この9波到来を見越して政府はコロナ対策をこうじたと思われます。
これまで新型コロナウィルスに関して話しましたが、最近気になるのがインフルエンザ感染症の増加についてです。
8月で当院に発熱外来で来院される患者様で、まれにインフルエンザ(A型)感染を起こしているのを見かけます。およそ1週間に数名程度で新型コロナウィルス感染件数の1割以下です。まれに、といっても昨年夏より目立つ印象がしました。
試しに厚労省のデーターを調べまとめてみました。数字は全国の定点件数です。全国1施設当たり報告した陽性件数を示します。昨年同期は昨年同時期のインフルエンザ陽性件数です。
新型コロナウィルス陽性件数はインフルエンザ陽性件数の約10~11倍多いことがわかります。また当院でもおそらく同様の結果だと思います。
やはり、今年夏のインフルエンザは昨年に比べ桁違いに多いことがわかります。
以前ブログで何度か掲載していましたが、新型コロナウィルスとインフルエンザウィルスの感染経路はほぼ同じです。発熱症状に差があるものの感染対策は同様です。
両者とも初期症状は通常の感冒症状の様に穏やかで見分けが難しいので感染リスクの高い院内では手洗い消毒、トリアージ、換気に徹底していきたいと思います。