仁クリブログ

2025.03.29更新

【気管支喘息について】

 

◆気管支喘息とは・・・?
気管支喘息は、気道(空気の通り道)が慢性的に炎症を起こし、様々な刺激に対して過敏になることで、発作的に気道が狭くなる病気です。


◆気管支喘息の特徴
• 発作性の呼吸困難:  呼吸が苦しくなる発作を繰り返します。
• 喘鳴(ぜんめい):  呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえます。
• 咳や痰:  特に夜間や早朝に咳や痰が出やすくなります。
• 気道の炎症:  慢性的な気道の炎症が、気道の過敏性を高めます。
• 可逆性:  適切な治療により、気道の狭窄は改善します。


◆気管支喘息の分類
気管支喘息は、原因や重症度によって分類されます。


1.原因による分類
*アレルギー性喘息: ダニ、ハウスダスト、ペットの毛など、アレルギーの原因物質(アレルゲン)によって引き起こされる喘息です。
* 非アレルギー性喘息: 風邪、運動、ストレスなど、アレルゲン以外の要因によって引き起こされる喘息です。
* 小児喘息: 小児期に発症し、成長とともに軽快することが多い喘息です。
* 成人喘息: 成人になってから発症する喘息です。


2.重症度による分類
*間欠型: 症状が月に2回未満の喘息です。
*軽症持続型: 症状が月に2回以上、週に1回未満の喘息です。
*中等症持続型: 症状が週に1回以上、毎日の喘息です。
*重症持続型: 症状が毎日あり、日常生活に支障をきたす喘息です。


◆気管支喘息の誘発因子
気管支喘息の発作は、以下のような要因によって誘発されることがあります。


• アレルゲン:  ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、花粉、カビなど
• 感染症:  風邪、インフルエンザなど
• 運動:  激しい運動
• 気象:  寒冷、乾燥、急な気圧の変化など
• 大気汚染物質:  タバコの煙、排気ガス、PM2.5など
• ストレス:  精神的なストレス
• 薬:  アスピリンなどの一部の薬
• 食品添加物:  亜硫酸塩など


◆気管支喘息の症状

気管支喘息の症状は、個人差や発作の程度によって様々ですが、代表的なものを以下に挙げます。


◇主な症状

• 喘鳴(ぜんめい):

* 呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえるのが特徴です。
• 咳(せき):
* 特に夜間から早朝にかけて、乾いた咳が出やすくなります。
*発作時には、激しい咳が続くことがあります。
• 呼吸困難:
*息苦しさや、呼吸が速くなるなどの症状が現れます。
*重症の場合、呼吸困難が強くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
• 胸の締め付け感:
* 胸が締め付けられるような感覚や、胸の痛みを感じることがあります。
• 痰(たん):
*咳とともに、粘り気のある痰が出ることがあります。


◇症状の特徴
• 発作性:
*症状は一時的に現れ、治まるといった発作を繰り返すことが多いです。
• 時間帯:
*夜間から早朝にかけて、症状が悪化しやすい傾向があります。
• 誘発因子:
*アレルゲン、運動、寒暖差、ストレスなど、様々な要因によって症状が誘発されます。


◇注意点
• 咳だけの喘息(咳喘息)もあり、喘鳴を伴わない場合もあります。
• 症状が長引く場合や、重症化する場合には、速やかに当院を受診して下さい。


◆検査
1. 呼吸機能検査
• スパイロメトリー: 肺活量や1秒量(1秒間に吐き出せる息の量)などを測定し、気道の狭窄や閉塞の程度を調べます。
2. アレルギー検査
• 血液検査: IgE抗体などを測定し、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定します。
3. 画像検査
• 胸部X線検査: 肺や気管支の異常を確認し、他の疾患との鑑別を行います。
4. 喀痰検査
• 痰の中に含まれる細胞や細菌を調べ、気道の炎症や感染の有無を確認します。
これらの検査を組み合わせることで、気管支喘息の診断や重症度の評価、治療効果の判定などが行われます。


◆治療
気管支喘息の治療は、発作を予防し、症状をコントロールすることを目的としています。主な治療法は以下の通りです。

 

◇ 薬物療法

• 長期管理薬(コントローラー):
* 気道の炎症を抑えるために、毎日継続して使用する薬です。
*主な薬: 吸入ステロイド薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、長時間作用性β2刺激薬、テオフィリン薬など
• 発作治療薬(リリーバー):
*発作が起きた時に、症状を速やかに緩和するために使用する薬です。
*主な薬: 短時間作用性β2刺激薬など


◇治療の目標
• 症状がない状態を維持する
• 発作を予防する
• 正常な呼吸機能を維持する
• 日常生活を制限なく送る


◇治療の注意点
• 喘息の治療は、医師の指示に従い、根気強く続けることが大切です。
• 症状が改善しても、自己判断で薬の使用を中止しないようにしましょう。
• 発作が頻繁に起こる場合や、症状が重い場合は、速やかに当院を受診してください。
• 定期的な診察を受け、医師と相談しながら治療計画を立てていきましょう。


◆予防
気管支喘息の予防は、発作を引き起こす要因を避けることが重要です。以下に、具体的な予防策をいくつかご紹介します。


1. アレルゲンの回避
• 室内環境の整備:
* ダニ、ハウスダスト、カビなどのアレルゲンを減らすため、こまめな掃除や換気を心がけましょう。
*布団やカーペットはこまめに洗濯し、天日干しや布団乾燥機を使用しましょう。
*加湿器を使用する場合は、カビの繁殖を防ぐため、定期的な清掃を行いましょう。
• ペット対策:
*ペットの毛やフケはアレルゲンとなるため、室内での飼育はできるだけ避けましょう。
*ペットを飼育する場合は、こまめな掃除や換気を行い、寝室には入れないようにしましょう。
• 花粉対策:
* 花粉の飛散時期は、外出を控え、マスクやメガネを着用しましょう。
* 帰宅後は、服や髪についた花粉を払い落とし、うがいや手洗いをしましょう。


2. 生活習慣の改善
• 禁煙:
*タバコの煙は気道を刺激し、喘息を悪化させるため、禁煙は必須です。
*受動喫煙も避けるようにしましょう。
• 適度な運動:
*適度な運動は体力向上につながり、喘息の症状を軽減する効果があります。
*ただし、運動誘発喘息の場合は、運動前に医師に相談しましょう。
• ストレス管理:
*ストレスは喘息の発作を引き起こす要因となるため、リラックスできる時間を作り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
• バランスの取れた食事:
*免疫力を高めるために、バランスの取れた食事を心がけましょう。
• 十分な睡眠:
* 十分な睡眠は、体の免疫機能を保つのに役立ちます。


3. その他
• 感染症対策:
* 風邪やインフルエンザなどの感染症は、喘息を悪化させる要因となるため、手洗いやうがい、マスクの着用などを徹底しましょう。
* インフルエンザワクチンの接種も有効です。
• 気温・湿度の管理:
*急激な温度変化や乾燥は、喘息の発作を引き起こすことがあるため、室温や湿度を適切に保ちましょう。
• 定期的な受診:
*医師の指示に従い、定期的な受診や検査を受け、喘息の状態を把握しましょう。


4.注意点
• 喘息の予防法は、個人差があります。医師と相談しながら、自分に合った予防法を見つけましょう。
• 症状が現れた場合は、我慢せずに、速やかに当院を受診しましょう。

 

 


気管支喘息は、適切な治療と管理を行うことで、症状をコントロールし、健康な生活を送ることができます。

 

 

 


~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修 ~

 

 

 

 

 


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