仁クリブログ

2025.12.21更新


疲れやすい、朝起きるのがつらい、階段で息が切れるといった症状は、貧血のサインであることがあります。
貧血は自覚症状が出にくく、気づかないうちに進行していたり、健診で初めて指摘される方も少なくありません。

 

今回は貧血についてお話しさせていただきます。

 

◆貧血ってどんな状態?
貧血とは、血液の中で酸素を運ぶ**「ヘモグロビン(鉄分を含む赤血球の成分)」が少なくなった状態です。 体の中に酸素が行き渡らなくなるため、いわば「体全体が酸欠(ガス欠)」**になってしまっている状態といえます。


◆ なぜ起こるの?(主な原因)
大きく分けて3つのパターンがあります。
• 材料不足: 鉄分やビタミンなど、血液を作るための栄養が足りない(食事の偏り、無理なダイエット)。
• 出血: ケガだけでなく、月経(生理)や胃腸からのじわじわとした出血。
• 骨髄の不調: 血液を作る場所がうまく働かなくなったり、他の病気が影響したりしている。


◆こんな症状はありませんか?
「ただの疲れ」と思われがちですが、貧血が進むと以下のようなサインが出ます。
• 体のだるさ、疲れやすさ
• 動悸(ドキドキする)、息切れ(階段の上り下りなどで顕著)
• 立ちくらみ、めまい、頭重感
• 顔色が悪い(まぶたの裏が白っぽくなる)
• 爪が弱くなる、氷を無性に食べたくなる(鉄分不足の特徴)


◆ 検査について
まずは血液検査を行います。
• 血液の濃さ(ヘモグロビン)だけでなく、**「鉄分の蓄え(フェリチン)」**がどれくらいあるかを確認します。
• 必要に応じて、どこからか出血していないか「便」や「尿」の検査を追加することもあります。


◆ 治療の方法
原因に合わせて、体内のバランスを整えます。
• 鉄剤の服用: 鉄分不足の場合は、お薬で補います。飲み始めてすぐに楽になることも多いですが、「貯金(貯蔵鉄)」をしっかり増やすために、数ヶ月続けることが大切です。
• 原因の治療: 胃腸の病気や婦人科系の病気が原因の場合は、そちらの専門的な治療も並行して行います。


◆日常で気をつけること(予防と対策)
食事は「しっかり食べる」ことが基本です。
• 鉄分を多く含む食品を: レバー、赤身の肉・魚、あさり、小松菜、ほうれん草など。
• 吸収を助ける工夫: **ビタミンC(果物や生野菜)**を一緒に摂ると、鉄分の吸収が良くなります。
• お薬の飲み合わせ: 緑茶やコーヒーに含まれる「タンニン」は鉄の吸収を妨げると言われていましたが、最近は食事の時ならあまり気にしなくて良いとされることも多いです。主治医の指示に従いましょう。
• 極端な食事制限を避け、3食規則的にバランスよく摂取することが鉄・たんぱく質・ビタミン類の不足を防ぎます。


《メニュー作成時のポイント》
• ヘム鉄源
*赤身肉(牛もも・豚もも)、レバー、赤身魚(カツオ・マグロ・イワシ・あさり缶)を1日1〜2品。
• 非ヘム鉄源
*大豆製品(豆腐・納豆・厚揚げ・高野豆腐)、ひじき、小松菜・ほうれん草など青菜を毎食どれか1品。
• 吸収促進
* 同じ食事内にビタミンC源(柑橘・キウイ・ブロッコリー・パプリカなど)を組み合わせる。
• 継続しやすさ
* 毎日レバーが難しい場合は、豆腐・厚揚げ・卵・鉄強化乳製品・あさり缶などを「お助け食材」としてローテーション。


★お薬による治療とあわせて、鉄分を意識した食事を心がけることも、貧血改善につながります。



◆その他

貧血は「体が少し休んで」と出しているサインです。お薬で数値が良くなっても、自己判断で中断するとすぐに「貯金」が底をついて再発してしまいます。根気よく治していきましょう。



気になる症状がある方や、健康診断で貧血を指摘された方は、我慢せずに早めにご相談下さい。

当院では検査から治療まで対応しておりますので、お気軽に受診して下さい。

 

 

~~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 日本内科学科 総合内科医 監修 ~~

 

 

 

 

 

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