「食べることは、自分をつくること」
~栄養とはなんだろう~
日々の食事は、ただ空腹を満たすためのものではありません。
それは、自分自身の体をつくり、整え、支えていくための大切な営みです。
私たちが口にする食品には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素が含まれています。
それらは体内で消化・吸収され、分解され、そして合成されて、筋肉や血液、細胞、ホルモンなど、私たちの身体の構成要素へと変化していきます。
たとえば、食べた肉がそのまま“人の肉”になるわけではありません。
それは一度アミノ酸に分解され、必要な場所で再構築されて、私たちの筋肉や免疫細胞の材料になるのです。
この一連のプロセスこそが「栄養」であり、生命のしくみです。
栄養素には、主に3つの働きがあります。
◆ひとつは、炭水化物や脂質がエネルギー源となり、私たちの活動を支えること。
◆ふたつめは、タンパク質やカルシウム、鉄分などが体の材料となり、筋肉や骨、血液をつくること。
◆そして三つめは、ビタミンやミネラルが代謝や免疫、神経の働きを調整し、体の調子を整えること。
この3つの機能がバランスよく働くことで、私たちは健康を維持し、日々を元気に過ごすことができるのです。
とはいえ、理屈だけでは体は整いません。
季節や体調、環境に合わせて、食事の内容を柔軟に変えていくことも大切です。
特に夏は、暑さによる食欲低下や水分不足、疲労の蓄積などで、体がバテやすくなります。
そんなときこそ、消化に優しく、栄養価が高く、水分・ミネラル・ビタミンがしっかり摂れる食事が必要です。
まだまだ暑さは続きそうです。以下のようなメニューなどいかがでしょうか?
朝は冷やし茶粥に梅干しを添えて、胃腸にやさしく。卵豆腐や納豆オクラでタンパク質とムチンを補給。すいかで水分とクエン酸も。
昼は鶏むね肉の梅しそ焼きと雑穀ごはん。ゴーヤと豆腐の炒め物でビタミンCと植物性タンパク質を。冷たい味噌汁で塩分と水分を補給。
夜はそうめんに鶏ささみ、大葉、生姜を添えて。枝豆やかぼちゃの煮物、もずく酢でミネラルと抗酸化成分をしっかり。
間食には甘酒ヨーグルトスムージーで腸内環境を整え、疲労回復をサポート。
さらに、忙しい日でも栄養をしっかり摂れるように、常備菜や時短レシピも活用しています。
オクラと長芋のねばねば和え、鶏むね肉の梅しそ蒸し、ひじきと枝豆の煮物などは、冷蔵庫にあると安心。
冷やし豆乳スープやツナとトマトの冷製そうめんは、火を使わずにさっと作れて、栄養も満点です。
食べることは、自分をいたわること。
そして、自分を育てること。
「今の自分に必要なものは何か?」を考えて食事を選ぶことが大切です。
それは、未来の自分への小さな投資でもあり、日々の生活を支える大切な習慣でもあります。
当院には栄養士がおりますので、お食事のことで何かお困りごとがございましたら、お気軽にお声がけください。
~~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 日本内科学会 総合内科医 監修 ~~
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