仁クリブログ

2025.12.06更新

『今は健康診断のシーズンですね!

皆さん、尿検査や血液検査の結果をしっかり確認されてますか?

「特に症状はないから大丈夫」と思っていても、腎臓の異常は自覚症状が出にくく、気づかないうちに数値が悪くなっていることがあります。

腎臓は早めの対応がとても大切です。

今回は、腎臓のお話をさせていただきます。』

 


 

 

腎機能障害・腎機能低下とは?
「腎機能障害」や「腎機能低下」とは、体内の老廃物や余分な水分を排泄し、体の恒常性(バランス)を保つという腎臓の重要な働きが、何らかの原因で弱くなっている状態を指します。進行すると**慢性腎臓病(CKD)と診断され、透析が必要になる場合もあります。


1. 腎臓の働き
腎臓は握りこぶし大の臓器で、背中の腰より少し上あたりに左右1つずつあります。
主な働きは以下の通りです。
• 老廃物と余分な水分の排泄(尿の生成): 血液をろ過し、代謝によって生じた尿素クレアチニンなどの老廃物や、摂りすぎた塩分、水分などを尿として体外に出します。
• 血圧の調整: 体内の水分量塩分量を調整したり、血圧を上げるホルモンを分泌したりして血圧をコントロールします。
• 電解質・酸塩基平衡の調整: 体内のナトリウムカリウムリンなどのミネラル(電解質)の濃度を一定に保ち、pH(酸性・アルカリ性のバランス)を調整します。
• ホルモンの産生: **赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)や、骨を丈夫にするビタミンDを活性化するホルモンを作り出します。
腎機能障害の特徴と分類
腎機能の低下が3か月以上続いている状態を慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)と呼びます。


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慢性腎臓病(CKD)は、腎機能(eGFR)と尿検査(たんぱく尿)の結果によってステージ(病期)が分類されます。このステージが進むと、末期腎不全となり、腎代替療法(透析や腎移植)が必要になります。

 


 

2. 腎臓の機能が弱ってしまう原因は?
腎機能障害の最も大きな二大原因は、糖尿病高血圧などの生活習慣病です。

 


 

3. どんな症状がでるの?
腎機能が低下していても、初期段階ではほとんど自覚症状が現れません。そのため、「沈黙の臓器」とも呼ばれ、気づかないうちに病気が進行していることが非常に多いです。

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4. 症状が出にくいから検査がとても大切です
腎機能障害の早期発見には、健康診断や特定健診での以下の検査が非常に重要です。
• 尿検査:
* たんぱく尿: 腎臓が正常に機能していれば、たんぱく質は尿に漏れません。尿にたんぱく質が混じる(陽性)場合は、腎機能低下の重要なサインです。
* 血尿: 尿に血液が混じる状態。
• 血液検査:
* クレアチニン(Cr): 筋肉で作られ、腎臓から排泄される老廃物です。腎機能が低下すると血液中の値が上昇します。
*eGFR(推算糸球体ろ過量): クレアチニンの値や年齢、性別から計算される、腎臓が老廃物をろ過する能力を示す値です。この値が低いほど腎機能が低下しています。
• 画像検査:
* 超音波(エコー)検査: 腎臓の大きさ結石嚢胞の有無などを調べます。
• 腎生検: 診断が難しい場合などに、腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる精密検査です。

 


 


5. 治療するには?

一度悪くなった腎臓の機能を完全に元に戻すのは難しいですが、適切な治療によって腎機能の低下のスピードを遅らせることができます。


spade生活習慣の改善(食事療法・運動療法)
治療の基本であり、最も重要です。


• 厳密な血圧のコントロール: 目標血圧(通常130/80mmHg未満)を目指します。
• 食事療法:
*減塩: 塩分の摂りすぎは血圧を上げ、腎臓に負担をかけます。1日6g未満が目安です。
* たんぱく質の制限: 腎機能のステージに応じて、医師や管理栄養士の指導のもと、過剰なたんぱく質の摂取を控えます。
*カリウム、リン、水分の調整: 腎不全が進行すると、これらの排泄も難しくなるため、制限が必要になります。
• 禁煙: 喫煙は腎機能低下を加速させます。
• 適度な運動: 医師の許可のもと、無理のない範囲で継続します。


spade薬物療法
腎機能保護のために、主に以下の薬剤が使われます。


• 降圧薬(特にRA系阻害薬): 血圧を下げるだけでなく、腎臓を保護する作用が強い薬です。
• 血糖降下薬: 糖尿病性腎症の場合、血糖値を厳密にコントロールします。
• 貧血治療薬(エリスロポエチン製剤など): 腎性貧血がある場合に使用します。
• 脂質異常症治療薬: 高いコレステロール値を改善し、動脈硬化の進行を防ぎます。


spade腎代替療法(末期腎不全の場合)
腎機能が末期腎不全の状態(eGFRが15未満)まで低下し、尿毒症などの症状で生命維持が困難になった場合に行われます。


• 血液透析: 週に数回、医療機関で血液を機械に通して老廃物や水分を取り除く治療。
• 腹膜透析: 自宅で、自分のお腹の中の膜(腹膜)を利用して老廃物などを取り除く治療。
• 腎移植: 健康な腎臓を移植する治療。

 


 


6. 腎臓を守るには?
腎臓を守るために、患者さま自身ができることはたくさんあります。

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早期発見・早期治療が、腎臓を守るための鍵です。定期的な検査を欠かさず、気になる症状があればすぐに当院にてご相談ください。

 

 

~~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 日本内科学科 総合内科医 監修 ~~

 

 

 

 

 

 

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