1. 消化器内科とは?
消化器内科は、食べ物の通り道である食道・胃・小腸・大腸や、消化を助ける肝臓・胆のう・膵臓など、消化器官全般の病気や不調を診る専門の診療科です。「お腹が痛い」「胸やけがする」「便通が不安定」など、日常的によくある症状から、がんや炎症性腸疾患などの重大な病気まで、幅広く対応しています。消化器の不調は、生活の質を大きく左右するだけでなく、放置すると重症化することもあるため、適切なタイミングで専門医を受診することが大切です。
2. どんな症状があったら消化器内科を受診すべき?
「この程度の症状で病院に行っていいのだろうか」と迷う方も多いですが、次のような症状がある場合は、早めに受診をおすすめします。
• 長期間続く胃痛や胸やけ
市販薬を使っても1~2週間以上改善しない場合は、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などの病気が隠れている可能性があります。
• 食欲不振や体重減少
食欲がなくなったり、意図せず体重が減ったりする場合は、消化器の病気だけでなく、全身の疾患が関与していることもあります。
• 便秘や下痢が続く
便秘や下痢が2週間以上続く場合、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、大腸がんなどの可能性も考えられます。
• 血便や黒い便が出る
血便や黒色便は、消化管からの出血が疑われる重要なサインです。特に黒い便は胃や十二指腸からの出血の可能性があるため、早急な受診が必要です。
• 吐き気や嘔吐が続く
繰り返す吐き気や嘔吐は、胃腸の炎症や閉塞、肝臓・胆のう・膵臓の病気など、さまざまな原因が考えられます。
こうした症状は、日常生活でよく見られるものですが、自己判断で放置せず、早めに相談することが大切です。
3. 緊急性の高い症状とは?
次のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。場合によっては救急受診が必要です。
• 激しい腹痛や突然の強い痛み
我慢できないほどの腹痛や、急に始まった強い痛みは、消化管穿孔や急性膵炎、腸閉塞など、命に関わる病気の可能性があります。
• 吐血や下血
口から血を吐いたり、鮮やかな赤い血便や黒色便が出たりした場合は、消化管からの出血が疑われます。
• 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
肝臓や胆道系の重篤な障害が考えられるため、早急な検査が必要です。
• 高熱を伴う腹痛
感染症や炎症性疾患が進行している可能性があります。
• 意識障害や脱水症状
嘔吐や下痢が続き、水分が取れない場合は、脱水や電解質異常により意識障害を引き起こすことがあります。
このような症状は、放置すると命に関わる場合があります。迷わず早めに受診しましょう。
4. 受診を迷う症状とその判断基準
「軽い胃もたれや胸やけ」「便通が不安定」など、日常的に起こりやすい症状でも、次のような場合は受診をおすすめします。
• 市販薬で1~2週間改善しない
• 症状がだんだん強くなっている
• 他の症状(発熱、体重減少、血便など)が同時に現れる
• 家族に消化器の病気(がんや潰瘍など)の既往がある
また、年齢や生活習慣によってもリスクは変わります。40歳以上の方や、喫煙・飲酒習慣のある方、ストレスが多い方は、些細な症状でも早めの受診を心がけましょう。
5. 定期検査や予防のために消化器内科に行くタイミング
消化器の病気は、症状が出にくいものも多く、早期発見が非常に重要です。次のような場合は、症状がなくても定期的な検査を受けることをおすすめします。
• 40歳を過ぎたら胃カメラや大腸カメラを一度受ける
胃がんや大腸がんは早期発見で治療成績が大きく向上します。
• ピロリ菌感染の有無を調べる
ピロリ菌は胃がんのリスク因子です。除菌治療でリスクを下げることができます。
• 肝機能検査や超音波検査
肝臓や胆のう、膵臓の病気は自覚症状が出にくいので、健康診断で異常を指摘された場合は精密検査を受けましょう。
• 家族歴がある場合は早めの検査を
家族にがんやポリープの既往がある場合は、若いうちから定期的な検査が推奨されます。
6. まとめ:早めの受診が健康を守るポイント
消化器の不調は、軽い症状でも重大な病気が隠れている場合があります。「これくらい大丈夫」と自己判断せず、気になる症状があれば早めに消化器内科を受診しましょう。
定期的な検査や予防にも積極的に取り組むことで、ご自身の健康を守ることができます。当院では、患者さま一人ひとりの症状やご希望に合わせて、丁寧に診察・検査・治療を行っております。お腹や消化器のことでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
~ 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修 ~
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