仁クリブログ

2022.12.02更新

【 尿路結石とは? 】

 尿路結石症は、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる疾患です。
尿の通り道である腎臓・尿管・膀胱・尿道を尿路といいます。腎臓にできるものを「腎臓結石」、尿管にできるものを「尿管結石」、膀胱にできるものを「膀胱結石」と言います。結石による痛みは、人間が感じる最も強い痛みの1つとされています。

男性は15.1%(男性の7人に1人)、女性は6.8%(女性の15人に1人)と男性の方に多い疾患で、1度尿路結石になると期間を限定しなければ、80~90%の方が再発すると言われています。また、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風など)がある方に多く発生します。患者数は年々増え続けており、40年の間に3倍になっています。

 

【 原因 】

 結石は、尿に含まれるカルシウム、マグネシウム、尿酸などの成分が過飽和状態になって結晶化したもので、ほとんどがカルシウムによるものです。結石ができる原因はまだよくわかっていませんが、リスク要因としては体質遺伝の他、生活習慣が大きく関わっているとされています。また、結石ができやすい病気もあります。


① リスクが高い生活習慣
・水分量が少ない
・汗かき
・大食い
・肉類をよく食べる
・糖分や塩分の摂取量が多い
・運動不足
・尿の停滞、濃縮がある
・ストレスが溜まっている


② 病気などのリスク要因
・入院などで長期臥床しており、尿流が停滞している
・ステロイドなどの薬を使用している
・尿管狭窄、前立腺肥大などの尿路通過障害がある
 尿路結石になりやすい病気としては、骨粗鬆症・クッシング症候群・高カルシウム血症・シスチン代謝異常・原発性副甲状腺機能亢進・クローン病などの炎症性腸疾患があります。

 

【 症状 】

 尿路結石のなかでも尿管結石は激痛が起こる病気として知られており、安静にしても痛みが治まらないことが特徴です。


① 尿路結石の症状
・血尿
・慢性的な腰痛
・背中の違和感や痛み
・腹部から背中、わき腹に起こる筋肉の痛み
 痛みに関しては、尿路結石だけではなく腸の重大な病気でも起こる場合があります。背中の痛みは心筋梗塞の可能性もあります。


② 尿管結石の症状
・突然起こるわき腹から下腹部にかけての激しい痛み
・血尿
・腰痛
・冷や汗
・吐き気、嘔吐
・顔面蒼白
・陰部の痛み

 

【 治療 】

 結石の大きさによって治療が異なり、サイズが小さければ薬物療法と1日2L以上の水分摂取や適度の運動などの生活習慣指導で結石が自然に出るのを待ちます。大きい場合は自然に尿として排出できるサイズまで結石を細かく破砕、あるいは除去する砕石治療を行います。

 

【 検査 】

 的確な診断や治療を行うにあたり、結石の大きさや位置、腎臓の状態などを検査する必要があります。


① 超音波(エコー)検査
大まかな腎臓の様子、腎臓付近の結石の有無を診ます。


② レントゲン検査
X線にて結石の場所と大きさを診ます。レントゲンに写らない結石も多くあります。


③ CT検査
尿路のどこに、どの程度に結石があり、それにより尿路がどうなっているか診る検査です。

 

【 予防 】

 尿路結石は再発率が高いため、生活習慣を見直すなどの予防が重要です。


① 水分摂取
・カフェインや糖類を含まない水や麦茶などを1日に2L以上を目安に摂取する。汗をかいた場合はさらに補給する。
・アルコールやジュースは控えめにする。
・結石は就寝中にできやすいとされているので、寝る前にコップ1杯程度の水を飲む習慣をつけましょう。


② バランスのいい食事
・塩分や糖分、脂肪分の多いものは摂りすぎない。
・ほうれん草や紅茶、チョコレート、ビール、レバーなどは結石を作りやすいとされているので避け、食物繊維をたくさん摂る。
・カルシウムやマグネシウムなどのミネラルもできるだけ摂取する。


③ 運動習慣を身に着ける
・運動により、結石の自然排石効果が促進される。特に小さな結石には効果的。
・運動習慣をつけることにより骨が丈夫になり、カルシウム溶出を防ぐ。

 

【 最後に 】

 尿路結石症は生活習慣病の1つで正確な診断と適切な治療が必要となります。また、再発が多いため、治療とともに再発予防が大切になります。健康診断で指摘された場合や痛みなどの自覚症状がでてきたら専門医に相談しましょう。

 

 

★内科専門医による総合医療、全人的医療を提供している仁愛堂クリニックです。総武線平井駅から徒歩4分と近いので、是非ご来院下さい。

2022.11.24更新

インフルエンザと風邪の違い

インフルエンザは、
インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気で
・38℃以上の高熱
・頭痛
・関節痛
・筋肉痛
など全身の症状が強いのが特徴です。
併せて
・のどの痛み
・鼻汁
・咳
などの症状も見られます。
さらに
・気管支炎肺炎
・中耳炎
・熱性けいれん
などを併発し重症になることがあります。

かぜとインフルエンザは、似ている症状もありますが、原因となるウイルスが異なる別の病気です。

 

かぜ
原因→アデノウイルス・ライノウイルス

症状→のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、せき、発熱など

症状の現れ方→比較的ゆっくり

症状が現れる部位→のど、鼻など局所的

インフルエンザ
原因→インフルエンザウイルス(A型・B型・C型)

症状→高熱(38~40度)、頭痛、関節痛、強い寒気、せき、強い倦怠感、のどの痛み、鼻水など

症状の現れ方→急激

症状が現れる部位→全身

 

インフルの潜伏期間は?
インフルエンザの潜伏期間は1~3日。 発熱は2~3日続き約1週間で回復します。

インフルエンザはどのように感染するのか?
感染している人の唾や鼻みずが手から手へ、あるいはドアノブやつり革などを介して手に付着することなどによる感染。
ただしインフルエンザはウイルスが手に付着しただけで感染することはありません。
ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。

かぜの潜伏期間は?
ライノウイルスや、従来のコロナウイルスの発症前の潜伏期間は1~4日。
感染後はウイルスが増殖して症状があらわれてきますが、症状があらわれる少し前から人にうつることがあります。

 

かぜはどのように感染するのか?
かぜをひいている人がくしゃみや咳をすると鼻水や唾液のしぶき(飛沫)は2mくらい飛び散ります。
飛沫を直接吸い込んだり、ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染します。

うつらない/うつさないためには
感染症にうつりやすい人込みを避けたり、マスクの着用が必要ですが、免疫力を高めることも大切です。

十分な休養
身体と心の休養をとるためには睡眠が重要であり、免疫力を高めるためにも意識的に睡眠時間を確保する必要があります。
風邪の予防としても、感染後に風邪を治す場合にも1日7~8時間は眠りましょう。

栄養バランスを考えた食事
偏った食事は免疫力を低下させる原因になるため、ビタミン・タンパク質・食物繊維などバランス良くとり入れましょう。
また、腸管には免疫細胞が集まってるのでヨーグルトなどの発酵食品を口にして腸内環境も整えましょう。

ストレスを溜めないこと
ストレスを受けると交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、免疫力が低下してしまいます。
普段頑張りすぎてしまっている方は、運動や音楽など、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

一般的にはインフルエンザの方が症状の重い場合が多く、どちらも免疫力や抵抗力の弱い呼吸器系の持病のある人にとっては、命にかかわる重篤な合併症を引き起こす可能性もあるので気をつけましょう。

 

インフルエンザワクチンの接種
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。

当院でもワクチン接種を行っています。

【価格】

1回 3,300円(税込)

※熟年者インフルエンザ接種予診票をお持ちの方は今年は無料でお受けいただけます。用紙を忘れずにお持ちください。

・インフルエンザワクチンは予約制ではございませんので、その日の在庫状況により接種可能となります。

・妊婦の方は産婦人科の医師に確認、相談をお願いいたします。
・当院では防腐剤フリーのワクチンの取り扱いはございません。

 授乳中の方に関してですが赤ちゃんへの移行については問題ないとされていますが、ご心配の方は同様に産婦人科の医師に確認、相談をしてからの接種をお勧めいたします。

・卵アレルギーの方はワクチンに卵白の成分が微量に含まれているため医師にご相談ください。

 

2022.11.20更新

12/29(木)~1/3(火)は休診とさせていただきます。

なお、お休み明けの1/4(水)は混雑が、見込まれます。

当院は予約制ではございませんので、お時間に余裕をもってのご来院をお願い致します。

2022.11.17更新

当院の発熱外来においての新型コロナウィルスの検査法についてお話ししたいと思います。

殆どの場合、抗原検査やPCR検査(NEAR法含む)を行いますが、患者様の病態や状況によって実際の検査の組み合わせが異なってきます。
 今回はそれぞれの検査法の違いや手技、原理を説明していきたいと思います。新型コロナウィルスの検査法には大きく分けて3つ、①抗原検査、②PCR検査、③NEAR法があります。また、採取法も異なります。

まず
【採取法】
 実際の検体は鼻腔ぬぐい液、鼻腔咽頭ぬぐい液、唾液または咽頭ぬぐい液があります。唾液を除き採取にはスワブという綿棒のようなものを使いますがそれぞれ太さが異なります。
 実際のスワブを並べ、太さがわかるように5円玉を置きました。
スワブ
 左から鼻腔用、中央と右は鼻腔咽頭用です。右の細いスワブはインフルエンザ抗原キット用のスワブです。
 また鼻腔と鼻腔咽頭では採取部位も異なります。
鼻腔鼻腔咽頭
 左が鼻腔、右が鼻腔咽頭です。説明書ではNERA法では両側の鼻腔、抗原検査では片方の鼻腔咽頭とされています。
 NEAR法の鼻腔採取ですが、この太い右のスワブで実際私の鼻腔で試してみました。特に鼻症状もない健常時でしたが、かなり痛かったです。片方の鼻腔で断念しました。5円玉の穴くらいの径でしたから。このスワブを使って両方の鼻腔から採取するのはちょっと現実的でない気がします。このメーカーは、近々鼻腔用から鼻腔咽頭用に変えていくとのです。
 中央のスワブは、抗原検査用のスワブで片方の鼻腔からの採取でよいとされています。この抗原検査キットは市販の抗原検査キットと異なり、医療機関で用いられているもので感度の良い鼻腔咽頭から採取します。市販のものの多くは鼻腔で採取するように説明書では書かれています。というのも、一般の方が鼻腔咽頭までスワブを挿入することは困難ですね。ましてやご自身で採取するのは無理です。
 上記鼻腔や鼻腔咽頭の採取法では小児にとって脅威になると思います。特にNEAR法の鼻腔用スワブは、メーカーは推奨されてもいないですし実際の検出率の統計を取っているわけではないのですが、唾液からの採取や咽頭用スワブとして使っている施設もあるそうです。おそらく小児の場合だと思います。
 最後に、PCR法の唾液採取です。一番簡便で無料のPCRセンターで見かけられます。利点は採取に苦痛を伴わない事、後で述べますが新型コロナウィルスの検査法では現在最も高感度である事、陽性陰性の判定だけでなく陽性だった場合変異株かどうかの後追い検査も可能な事があげられます。欠点としては高齢者や熱発中の患者様の場合そう簡単に唾液は取れません。採取に関しても歯磨きやうがい飲食は検査前1時間は開ける事、喀痰や血液の混入を避ける事があげられます。鼻腔や鼻腔咽頭でもこれらの制限がありますがよりシビアです。もっというと、唾液も刺激性の唾液は好ましくありません。刺激性の唾液とはレモンとか梅干を想像して分泌される唾液ですので、何も考えずに自然と分泌される唾液を採取することになります。

【各検査法の特徴】
 今までは採取に関して説明しましたが、実際何がどう違うのかを説明していきたいと思います。
①抗原検査
抗原(新型コロナウィルス)と抗体反応。難しく言うと金コロイドを用いたイムノクロマト法です。新型コロナウィルスの検査だけでなくインフルエンザ、溶連菌、HCG、便潜血の検出等幅広く応用されています。
抗原検査
 
 わかりやすく、陽性だった場合について説明します。
コロナウィルスを含んだ鼻腔咽頭ぬぐい液は滴下部位にある金の微小な粒(金コロイド)でついた(標識された)抗体と結合します。金は大きな塊だとゴールドですが細かく小さくすると赤く見えます。この抗原抗体複合体(免疫複合体)が流れて、陽性ラインにある別の抗体がついていて(固相化された)ここで免疫複合体が更に結合します。陽性ラインにある抗体は固相化されて金コロイドを含んだ免疫複合体はここでとどまり赤く発色します。
陰性だった場合。滴下部位では抗原反応は行われず金コロイドが標識された抗体が流れていきます。陽性ラインではもともと抗原がないのでそのまま通り過ぎます。コントロールラインでは抗原と結合していた抗体が固相化されていて、ここで流れてきた金コロイド標識抗体と反応し赤く発色します。
 コントロールラインで発色し始めて判定ができます。陽性でも陰性でもコントロールラインでは必ず発色し、もし発色しなければ十分な金コロイド標識抗体が流れていなかったということです。原因は手技的な問題で滴下量が少なかった、あるいは鼻腔咽頭ぬぐい液の粘調性が著しく高くプレート内を十分浸透できなかった事が考えられます。
 判定時間はメーカーにもよりますが10~15分。当院で使用しているキットは10分です。強陽性の場合滴下して約30~40秒で陽性ラインが発色し1分以内でコントロールラインが発色します。これは陽性として判断してよいのですが、判定時間間際になって薄く陽性ラインが発色することがあります。弱陽性でも陽性は陽性です。
 ここで注意するのが判定時間は必ず守って下さい。キットによっては判定時間を大きく過ぎてしまった際まれに陰性でも陽性ラインが薄く発色することがあります。これは陰性です。コントロールラインに固相化された抗体が剥離し陽性ラインまで流れ反応してしまうと考えられています。
 抗原検査は特別な検査機器を必要とせず市販キットも安価で購入できるためご家庭やどこでも検査可能です。しかし感度がやや低いため強く陽性が疑われる場合の証明では有効ですが、ウィルス量が少ない時、特に超急性期や回復期など、陰性に出ることがあります。次に説明しますPCR法の陽性率を100とすれば陽性一致率は76%前後とされています。なので、抗原検査で陰性でもPCR法又はNEAR法で陽性であることが多々あります。
②PCR法
 PCRとはポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)の略で核酸増幅法です。上記抗原検査はウィルスそのものを捕まえるとしたら、ものすごく乱暴な言い方すると、PCR法はウィルスのDNA鑑定と例えられています。実際にはコロナウィルスはDNAの代わりにRNAを持つウィルスですが。
 原理としては上記抗原検査に比べ至ってシンプルです。ウィルスの持っている遺伝子の一部を人工的に極限まで増幅し検出する方法です。増幅は2の30乗、10の9乗、約10億のコピーを作ります。
 通常PCR法は2本鎖のDNAに対して行うのですが、一度2本鎖をほどいて(変性)、特徴的な塩基配列部分に対しプライマーと呼ばれる短い複製用DNA分子を結合させ(アニーリング)、DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素によりプライマーを起点として複製させる(伸展)ことが一般的です。これを加熱と冷却を12時間かけて30回前後繰り返すとターゲットの塩基配列が約10億倍に増幅されます。

PCR
 RNAは1本の長い塩基配列で構成されていますが、同様にポリメラーゼを用いて2本鎖のDNAとして進展させていきます。
 PCR法は前述の通り高感度ですがサイクルを12時間、全ての検査時間含めるともっと時間がかかります。測定する検査機器も非常に大掛かりで大病院、研究施設、大手検査センターで設置されています。当院含め大部分の医療機関は検査センターに委託していると思います。委託し結果を書面として届けるのに早くとも2日ほどかかってしまうのはこのためです。昨今のコロナ禍では検査が間に合わず翌日の結果に間に合わないこともありました。ラボの技師さん、お疲れ様です。
③NERA法
 原理はほとんどPCR法と似ています。核酸増幅法の一種で、PCR法の改良型です。正式名称は等温核酸増幅法(Nicking Enzyme Amplification Reaction)といいます。
 特徴は、PCR法では12時間かけて加熱冷却繰り返していた方法を1回の等温加温で15分程度で判定させる画期的な検査法です。
 実は先月から当院はじめ俊爽会よりこの検査法を導入しました!

院内PCR
Abot社製のID NOWという検査機器です。昨今この検査機器を導入されているクリニック様を多く見かけるようになりました。公費で検査自体は無料(診察、トリアージなどは有料)ですが、自費で20,000~22,000円くらいで行っている施設さんが多いようです。
もし陽性なら5分程度、陰性なら15分程度で判定できます。
肝心の検査精度はPCR法と比べ陽性一致率は約95%(抗原検査では75%)陰性一致率は約97%です。厚生労働省もPCR法同党の承認も得られています。PCR法では発熱外来で来院された場合結果が出るまで自宅待機ということがありましたがそれがなくなります。
 欠点はあります。冒頭述べました、この検査キットの鼻腔用スワブはあの太いスワブです。なので当院では鼻腔咽頭用スワブを使用しています。あとは一回に一つの検体しか検査できません。抗原検査では並列して検査行うことができましたが、複数人分の検査を行う際最後の方は少々お待たせすると思います。
 海外への渡航時の陰性証明は注意が必要です。一応現時点アメリカや韓国では陰性証明はこのNEAR法を承認していますが国としてはPCR法を推奨しているようです。国によっては承認されてない場合もあるので各大使館への確認が必要です。

2022.11.14更新

11/18(金)の院長の休診ですが、午前のみの休診で、午後は院長の診察(15時~17時)となります。

尚、インフルエンザの予防接種は、午前中は15歳以上となりますので、

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒、ご了承下さい。

2022.11.14更新

11月18日(金)は急遽、小林院長の診察が休診となり、代診医師の診察となります。

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒、ご了承下さい。

2022.11.04更新

【感染性胃腸炎について】

冬に流行る病気1位と言われているのが感染性胃腸炎です。

感染性胃腸炎は「細菌性胃腸炎」と「ウイルス性胃腸炎」の2種類あり、どちらも吐き気や嘔吐・腹痛・下痢・発熱といった症状があらわれます。これらの症状は細菌性・ウイルス性で度合いが変わることもあります。

細菌性胃腸炎では腹部の膨満感や血便が見られることもあります。
多くは食品や汚染された水から感染しますが、人やペットとの接触により感染することもあります。
感染性胃腸炎の症状である下痢は主に「水下痢」で、悪化すると脱水症状を起こし重篤化することもあるので注意が必要です。

原因となるウイルスは「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「アデノウイルス」等ですが、中でも多いのがノロウイルスで、感染力も強く、特に注意が必要です。
ノロウイルスは食中毒統計では、毎年1万人を超えていますが、多くの人はウイルスの検査をしないため、実際は100万人以上の感染があると推定されています。

 


★病原体       ★原因            ★潜伏期間
ノロウイルス    汚染された二枚貝や井戸水など  1~2日
ロタウイルス    汚染された水、二枚貝       1~3日
カンピロバクタ-   鶏肉               1~7日
腸管出血性大腸菌   生肉や加熱不十分な肉       3~8日
サルモネラ菌     生肉(特に鶏)、卵、ペット     6~72時間
ウェルシュ菌     煮込み料理など          6~18時間
ブドウ球菌      汚染された食品          3時間
腸炎ビブリオ     魚介類              1日以内

 


「症状は?」
感染性胃腸炎の症状は、病原体により多少異なりますが、下痢、悪心、嘔吐、腹痛、発熱などです。特に下痢はほぼ必発です。病原体によっては血便が出ることもあります。また、感染当初発熱が先行して、その後に嘔吐、下痢など腹部症状が出現することもあります。乳幼児や高齢者の場合には、脱水症状に陥るケースも多くあり、時に重症となります。
脱水症状を引き起こさないためには、水分補給が大切ですが、症状が強い時には、小量の水分さえ受け付けない状態になり、このような場合は、点滴などの処置を受ける必要があります。
軽症のケースでは「風邪かな?」「疲れかな?」程度に思って放っておく人も少なくありません。しかし、それが思わぬ方向に――。
症状が治まった後も便の中には1週間から1カ月程度ノロウイルスが排泄されるといわれています。それを知らずにいると、自分自身が周囲の人々の感染源になってしまうのです。


「日常生活で気を付ける事」
原因菌やウイルスは、基本的には加熱処理をすることで、死滅させることができます。そのため、しっかりと火が通ったものを食べることが大切です。
予防のために大切なのは、手洗いと消毒です。手洗いは外出から帰った時、食事前、トイレの後などこまめに行いましょう。消毒はアルコール消毒が効果的ですが、ノロウイルスやロタウイルスは抵抗力があります。ノロウイルスやロタウイルスが疑われる場合は次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などで消毒すると効果的です。
また、感染者とのタオルの共用はやめ、ペーパータオルなどを使用しましょう。


「治療」
特効薬はありません。一般的には自然治癒しますので、症状が軽いようなら水分摂取を心がけて、安静にして、自然に良くなるのを待ちましょう。
ある程度、症状が強い時は、対症療法を行います。
感染を起こして下痢が始まると腸内細菌のバランスが崩れるため、それを整えるために整腸剤や乳酸菌製剤が使用されることがあります。下痢に伴う脱水に対しては点滴が行われます。抗菌薬はあまり使用されません。

 

2022.10.31更新

新型コロナウィルスワクチン5回目接種の予約を開始しております。(11月中旬頃まで)

ワクチンはオミクロン株対応ワクチンとなります。

接種については、4回目接種の完了から3か月以上経過し、且つお手元に5回目の接種券・予診票が届いている方が対象となります。

 

【接種対象者】

・12歳以上の方(15歳未満の方は、接種日が限られているので、スタッフまでお尋ね下さい。)

 

予約の際に4回目の接種日をお尋ねいたします。接種券に記載の日にちをお教えいただくか、当院で4回目接種している方は、こちらでお調べすることもできます。

 

2022.10.30更新

11月4日(金)・5日(土)は急遽、小林院長の診察が休診となり、代診医師の診察となります。

ご迷惑をお掛け致しますが、何卒、ご了承下さい。

2022.10.27更新

高血圧は、自覚症状が乏しいですが、放置しておくと脳卒中や心筋梗塞などにつながる疾患です。このように聞くと怖いですが、生活習慣の改善や、薬物療法によって血圧のコントロールを行えば重大な疾患に至るリスクは低くなります。自分の血圧を把握し、血圧のコントロールを行っていくことが大切です。

 

〈血圧とは〉
心臓から送り出された血液が全身に栄養や酸素を送り届けることで生命を維持できています。血圧とは、この血液が血管に加える圧力のことをいいます。
心臓は血液を送り出すときにぎゅっと収縮します。このときに血管にかかる圧力を収縮期血圧といい、このとき血圧は最高値を示します。反対に、全身をめぐった血液が心臓に戻るときには心臓が拡張しますが、このときの血圧を拡張期血圧といい、最も低くなります。
高血圧とは、血管に過度の圧力がかかっている状態を指します。高血圧が続くと血管に負担がかかり、さまざまな疾患を引き起こす恐れがありますので、定期的に血圧を測定し、コントロールすることが重要です。

 

〈高血圧とは〉
高血圧とは、病院や健診施設などで測定した血圧値が、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上(140/90mmHg以上)の状態をいいます。自宅で測定する家庭血圧では、それより低い135mmHg以上または85mmHg以上(135/85mmHg以上)が高血圧とされます。
高血圧患者さんのなかには、「健康診断では正常血圧だったけど、自宅で測ると高い」という方もいるため、できれば自宅でも測定するとよいです。
血圧は1日の間でも変動します。通常、睡眠中は低く、朝になると起床前からゆっくり上昇し、昼間の活動量が多い時間帯には高くなります。夕方になって活動量が減ると血圧も低下し、睡眠中はさらに低くなります。また、運動や食事、感情の変化の影響で変動することもあります。
一般的に睡眠中は血圧が低下しますが、なかには睡眠中に血圧が低下しない「夜間高血圧」や、朝方血圧が上昇する「早朝高血圧」の患者さんもいます。昼間の血圧が低くても、夜間や早朝の血圧が高くなることがあります。
夜間や早朝の高血圧が、脳卒中、心筋梗塞の発生につながることがあると言われているので、思わぬ時間帯の発生を予防するためにも、24時間、血圧をコントロールすることが重要です。

 

〈高血圧が原因で起こる病気〉
高血圧が続くと、動脈が硬く、もろくなる動脈硬化が起こり、脳・心臓などで、以下のようなさまざまな病気を引き起こします。

・脳出血
硬化した脳の細動脈に圧力がかかって、血管が破裂して起こる。頭痛、吐き気、めまいなどの自覚症状や、意識障害、手足の麻痺、口のもつれや言葉の障害といった症状がある。
・脳梗塞
動脈硬化で血管の内側が狭くなったところに、血栓(血液のかたまり)ができて血管がつまること。めまい、麻痺、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどの症状がある。
・心肥大、心不全
心臓がどんどん血液を送り出そうと無理をすると心肥大につながる。心肥大が進行すると心不全が起こる。心肥大の症状として、疲れやすくなる、動悸、息切れ、呼吸困難、顔や足のむくみ、胸痛、食欲不振、全身倦怠感などがある。
・狭心症
心臓を取り巻く冠動脈が狭くなり、心臓を動かすための血流が不足する「心筋虚血」が起こる。突然、胸を締めつけられるような痛みや圧迫感を感じるが、この症状は数分、長くても15分程度でおさまる。
・心筋梗塞
冠動脈が完全にふさがって血流が途絶えるので、その部分の心筋は壊死する。激しい胸の痛み、呼吸困難、冷や汗、吐き気などの症状があり、長時間続く。
・大動脈解離
大動脈は、外膜、中膜、内膜の3層構造となっており、十分な強さと弾力を持っている。高血圧が続くと内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂けることを大動脈解離という。突然胸あるいは背中に激痛が起こり、病状の進展につれて痛みが胸から腹、さらに脚へと下向きに移っていくのが特徴。いきなり意識消失状態やショック状態となる人も少なくない。裂けた箇所や病状の進展によって、大動脈弁閉鎖不全や脳虚血症状(意識消失、麻痺)、腸管虚血症状(腹痛、下血)、腎不全、下肢虚血症状などの併発症状を引き起こすこともある。また、血管が破裂したり、血液が血管外へ染み出すと、心臓の動きが悪くなったり(心タンポナーデ)、胸に血液がたまる(血胸)。大動脈破裂により出血性のショックとなり、死に至る可能性もある。主要な臓器への血管に裂け目が進展すると、血流障害によって各種臓器が虚血壊死を起こし、死に至ることもある。
・腎硬化症、腎不全
高血圧は、腎臓にも影響を及ぼす。腎臓は小さな動脈のかたまりのような臓器で、血液を濾過して尿を作る。高血圧によって動脈硬化が進むと腎硬化症、さらに進むと腎機能が著しく低下する腎不全になる。すると尿を作る働きが衰えて体内に老廃物がたまり、人工透析をしないと生命が維持できなくなる。

 

〈高血圧の治療の基本〉
高血圧の治療には、非薬物療法と薬物療法があります。非薬物療法とは、減塩、節酒、運動、禁煙、十分な睡眠、ストレス軽減など生活習慣の改善による治療です。軽度の高血圧であれば、生活習慣の改善のみで、薬物療法を必要としないこともあります。薬物療法を受ける場合でも、薬の効果ばかりに頼るのではなく、生活習慣の改善と並行して行うことが重要です。

 

 

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